出版社内容情報
内容説明
明治中期の東京。元・岡っ引きの半七老人が若き日に遭遇した事件を新聞記者に語って聞かせる時、江戸の捕物が鮮やかに蘇る!火事でもないのに何度も半鐘を鳴らすなど、人々を不安がらせる悪戯を続ける犯人を突きとめる「半鐘の怪」など18編。“シャーロック・ホームズ”シリーズの影響を受けて誕生し、全ての捕物帳の原点となった著名なシリーズからよりすぐった傑作選、降臨!
著者等紹介
岡本綺堂[オカモトキドウ]
1872年東京府生まれ。90年に東京日日新聞に入社後、新聞記者として働く傍ら、戯曲の執筆を始め、『修禅寺物語』『番町皿屋敷』などを残す。小説では代表シリーズ“半七捕物帳”が、時代小説と探偵小説を融合した捕物帳の原点となり、多くの作家に影響を与えた。1939年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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くさてる
18
アンソロや選集で読んだことはあったけど、新鮮な思いで読みました。捕物帳といえば、解説で触れられていた横溝正史「人形佐七」シリーズにどハマりしてたんですが、こちらはさすがの正統派で破綻が無くて分かりやすい。わたしの好みはより人間臭いキャラが魅力的な佐七のほうですが、こちらはこちらで端正で江戸の雰囲気がより伝わってくるような味わい。面白かったです。2022/07/06
sayzk
10
「半七捕物帳」とはなんとなく聞いたことがあった。岡本綺堂もそう。京極夏彦の「書楼弔堂 待宵」でこの両者が結びついた。シャーロック・ホームズに感化された捕物小説として。約30頁ほどの短編ばかりなので実にテンポがよくて読みやすい。「半七捕物帳」の連作となるとかなりぎょうさんの作品群となるが、この本はそのぎょうさんの短編の中からのベスト選集。2024/09/21
Kom
4
名作揃いだった。すっきりした綺麗な文章と江戸の描写、ミステリが結びついているのが上手い。確かにこれは原点かつ頂点だと思わされる。2024/01/05
ほげっひ
3
半七捕物帳傑作選。全18編収録。他の傑作集に収録されているものもありますが、総じて楽しめるラインナップ。江戸の町を闊歩する半七親分もいいのですが、「わたし」を相手に江戸を懐かしむ半七老人の語り口調も好きです。一気読みもおすすめですが、気になるタイトルから読んでいくのも楽しいかもしれません。2022/03/03
さとうめぐみ
2
ひとつひとつは20分くらいで読めてしまうんだけど18編あって結構読了までに時間がかかってしまったなーと。もっと読みにくいのかと思ってたけどそんなことありませんでした。半七親分の洞察力はさすがです。2022/04/07