内容説明
小市民たるもの、日々を平穏に過ごす生活態度を獲得せんと希求し、それを妨げる事々に対しては断固として回避の立場を取るべし。賢しらに名探偵を気取るなどもってのほか。諦念と儀礼的無関心を心の中で育んで、そしていつか掴むんだ、あの小市民の星を!そんな高校二年生・小鳩君の、この夏の運命を左右するのは“小佐内スイーツセレクション・夏”!?待望のシリーズ第二弾。
著者等紹介
米澤穂信[ヨネザワホノブ]
1978年岐阜県生まれ。2001年、『氷菓』で第5回角川学園小説大賞奨励賞(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞しデビュー。青春小説としての魅力と謎解きの面白さを兼ね備えた作風で注目される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
603
ライトなのになかなか捻りがきいた作品。「シャルロットだけはぼくのもの」までは前作の踏襲(でも実はコレが一番好き)で、そこからは各章独立というより長編小説のノリになってくる。私だけかもしれないが、『春期限定~』よりもスイーツが美味しそうにも感じた。しかしまぁ、それにしても話が上手すぎる感じはあるのだが、アニメ化されているという事前情報含め、それが許せる世界観をキッチリ構築しているからこそ、読みごたえもある良作となっている。ラストの互恵関係解消とか、ちょっと自意識過剰なくらいが、青春してる感あっていいのかも。2025/05/20
佐々陽太朗(K.Tsubota)
480
思えば私が米澤穂信氏と出会った作品は本書第一章「シャルロットだけはぼくのもの」であった。『きみが見つける物語 十代のための新名作 休日編』(角川文庫)にこの一編が収められていたのだ。秀逸な作品で私のお気に入りである。それにしても小学生のような背丈、ボブカットに童顔の女子高生、その名も小佐内ゆきは怖いぞ。好物の甘いものは二番目で、一番目は「復讐」だと。私がまだ女という生き物にあこがれと幻想を抱いていた23歳の頃、「Tさん(私のこと)、女って怖いのよ」とそっと囁いたY子さんの言葉を思い出す。2012/10/22
まりも
437
小市民シリーズの第二弾。夏休み、小市民を目指す小鳩君は小佐内さんに付き合って〈小佐内スイーツセレクション・夏〉を巡る事になる話。小佐内さんが実はどんな人なのかは前回である程度分かっていたので、ゆるーく始まっても一筋縄では終わらないんだろうなと思っていたけど迎えた結末はまさか過ぎてびっくり。表向きは無害な小市民を目指しながらも、実は一癖も二癖もある二人が出した結論はらしいと言えばそうだけど、二人とも頭の中で考えすぎな気もしました。互恵関係を解消した二人はどうなるのか。次巻も楽しみです。2015/04/05
射手座の天使あきちゃん
437
出だし「シャルロット・・・」で、いい感じに小佐内さんの術中にハマッた小鳩君、ニマニマしながら読み進めたら んー、雲行き怪しい ちょっと展開ヤバくない? えっ、どうなるの小市民虎狼コンビは!? って、まんまと米澤さんの罠に落ちて秋期限定も読みまーすぅ(笑)2010/03/14
kishikan
425
小市民シリーズの2作目は、高2の夏休みに起きた事件。それも当事者は小佐内さんと小鳩君。今回はタイトルのトロピカルカフェを始めスウィーツもてんこ盛りだけど、それがちょっとした布石にもなっているミステリ。事件の謎解きも面白いけど、「春期・・・」の時に気になっていた、小佐内さんの謎がキーになっています。ただし、その全容は・・・・・やっぱり明かされませんでした。それに小鳩君と彼女の関係も一定の区切りがきて。ああどうなってしまうのだろうと、フラストレーションがたまる。でも、小佐内さんのお母さんの登場で一つ謎は解明。2013/01/22
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