出版社内容情報
武蔵自動車教習所の配車係の死に端を発し、相次いで指導員が殺される。そして捜査線上に浮かんだ容疑者には、二重三重に仕組まれたアリバイが!? 著者の本格ミステリ代表作。
内容説明
自動車教習所の配車係が川土手で頭を強打して死んでいた。さらに技能主任が密室状況下で殺され、続いて指導員が自分の車の中で殺されているのが発見される!指導員と教習生を巻き込み、複雑に絡み合った人間関係の中から、捜査線上に浮かんだ一人の容疑者。だが、その人物には、二重三重に仕組まれたアリバイが!?著者がミステリの正統(密室+アリバイ破り)に挑んだ傑作!
著者等紹介
中町信[ナカマチシン]
1935年1月6日、群馬県生まれ。早稲田大学文学部卒。出版社勤務のかたわら、67年から雑誌に作品を発表。2009年6月17日逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ばりぼー
55
原題は「自動車教習所殺人事件」、乱歩賞最終候補にまでなってます。密室+アリバイ破りという本格ミステリの王道を行くトリックに加え、自動車学校という舞台装置を最大限に活用してトリックに取り込むという壮大な試みをしていますが、それでも地味です(笑)。しかもバカミス寸前ですし…。そんな吹けば飛ぶような脆いトリックを考えて事態を悪化させるくらいなら、さっさと自首しなさい(笑)。と、あれこれ愛ある突っこみを入れたくなるくらい、中町さん、好きです。まだまだ認知度が低いようですが、もっと評価されても良い方だと思います。2015/07/21
すい
27
東京創元社の新刊紹介コーナーでみつけて、図書館にリクエストまでして読んだ本なのだが、それだけの価値があったと思えた。 1980年出版の『自動車教習所殺人事件』を改題したとのことだが、内容はタイトル通り。 自動車教習所を舞台に、指導員と教習生の複雑に絡み合った人間関係が見事に事件を複雑なものにしている。 時代が時代なので古臭く感じる場面もあるが、充分に楽しめた。 これからもっと中町さんの本を読んでみたいと思う。 作者が4年前に他界していることが、本当に残念。 2013/12/05
あらあらら
20
謎解きは順調に進んで行きます。最後にすべてを明らかにしてくれるのでスッキリできる。まだまだいい作品が、うもれているはず。どんどん再販して欲しい作家2015/05/18
ステビア
20
アリバイ崩しと密室。例のアレはありませんが堅実な本格でしょう。2014/12/14
桂 渓位
19
中町先生の作品では、一番地味目の作品かも知れません。 時代が少し前なら、二時間サスペンスの 題材向きかと思いました。2018/05/08