創元推理文庫
剣と薔薇の夏〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 381p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488446055
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

ついに日本使節団が到着し、ニューヨーク市をあげての空前の祝賀行事が催される中、新たな殺人事件が発生する。犯人はなぜ密室の扉を爆破したのか?あるべき自然なかたちを損ねるように凶行を繰り返す犯人の意図とは?19世紀後半の米国で勃発した摩訶不思議な連続殺人の行方を、緻密な計算によって描き尽くした傑作。偉才が構想・執筆に15年を費やした、時代本格の金字塔。

著者等紹介

戸松淳矩[トマツアツノリ]
1952年12月31日、京都生まれ。’75年、学習院大学文学部卒。’79年、『名探偵は千秋楽に謎を解く』でデビュー。長い沈黙を経て2004年、大作『剣と薔薇の夏』で劇的な復活を遂げ、同書により第58回日本推理作家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

geshi

28
なぜここまで克明に時代背景や社会情勢を書いておかなければならなかったのか理解はできるし、その執念には一目を置く。黒人奴隷制度、アメリカ南北の軋み、日本使節団への歓迎ムードの裏表、緻密な組木細工のように全てがちゃんと繋がりを持って謎解きに活かされる。壮大な印象付けや積み上げられてきたものがミスリーディングとなり心理的な仕掛けに陥っていた事が明かされた時には思わず成程と言ってしまった。ここまで硬質にせずにエンタメ寄りの作品ならもっと読みやすくて、「よく出来てる」以上の評価を得られただろうに。2017/11/16

東森久利斗

0
ニューヨークの原点を垣間見た。2014/08/08

ラブミーテンダー

0
ミステリとしてはとてもいい出来だと思う。しかし、とっつきにくいのが玉に瑕。最初で放り出す人多いだろうなぁ。2014/03/26

ケイト

0
上巻でこの作品のペースを掴んだのか、下巻に入ってからも変わらない調子で続くものの退屈することはありませんでした。冒頭のパレードの描写はかなり読みごたえあるものでしたし、事件の真相もなるほどとうなずけるもので。海外作品や歴史ものをある程度読まれた方には受けがいいのではないでしょうか。面白く読み終えたのですが、その後法月先生による解説でこの作品全体に仕掛けられた壮大なミスディレクションの全貌を知った時は驚きました。手品は観客に騙されたことに気づかせないのが一番だといいますが、すごい作品を読んでたんだなあ……。2013/04/09

よう

0
大作でした。日米比較論が随所に鏤められいて、とても興味深かったです。日本人が書いたとは思えない雰囲気が終始漂っていました。ただ丁寧に描かれている日本使節とミステリの部分の繋がりが少なく、なんでだろうとずっと不思議でした。しかし、そのもやもやは解説によって解消。欲を言えば自分でこんな答えを出したかったですが仕方ないですね。歴史小説としてもミステリとしても力のある作品だと思います。読んでいる方が少ないみたいなので、是非挑戦してもらいたいです。2011/02/18

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