出版社内容情報
夏祭りにやって来た、裏染天馬と柚乃たち風ヶ丘高校の面々。たこ焼き、かき氷、水ヨーヨー、どの屋台で買い物してもお釣りに五十円玉が含まれるのはなぜ? 名作『競作五十円玉二十枚の謎』をモチーフに挑んだ表題作ほか、天馬の妹の華麗な謎解きも収録した全五編。“若き平成のエラリー・クイーン”が日常の謎に挑戦。人気イラストレーター・田中寛崇による新規書き下ろし扉絵つき。
内容説明
夏祭りにやって来た、裏染天馬と袴田柚乃たち風ヶ丘高の面々。たこ焼き、かき氷、水ヨーヨー、どの屋台で買い物しても、お釣りが五十円玉ばかりだったのはなぜ?学食や教室、放課後や夏休みを舞台に、不思議に満ちた学園生活と裏染兄妹の鮮やかな推理を描く全五編。『体育館の殺人』『水族館の殺人』に続き、“若き平成のエラリー・クイーン”が贈るシリーズ第三弾は、連作短編集。
著者等紹介
青崎有吾[アオサキユウゴ]
1991年神奈川県生まれ。明治大学卒。学生時代はミステリ研究会に所属し、2012年『体育館の殺人』で第22回鮎川哲也賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ハゲおやじ
113
2024年最初の読了本。裏染シリーズ?第三弾。5つの短編とおまけの構成。人が死なないミステリー?として良く出来ている。裏染が謎に嫌々取り組む所など定番だが、鏡華の学校内容も出ていて 読み手の満足度は高い。…って、いい歳こいたオッサンには、JKのチラリと出てくる描写(と挿絵?)に驚いてしまうね(中学生か?)。「針宮理恵子のサードインパクト」は、”青春”って感じでお気に入りだなぁ。面白さでは、裏染と関係の深い人との掛け合いの「おまけ」かな。でも、鏡華って 何者?(兄弟揃ってだけどね)。石川地震 驚いた。2024/01/02
麦ちゃんの下僕
106
裏染天馬シリーズ第3弾は、裏染兄妹が学園生活で遭遇した“謎”を鮮やかに解き明かす連作短編集。時系列がはっきりしていて、各話が相互に関連している上に、前2作や次作『図書館の殺人』とも随所でつながっているのが面白いですね!そして何より、田中寛崇さんの扉絵が魅力的!全作で表紙を飾ってきた柚乃だけでなく、天馬・香織・針宮・早苗・鏡華のイメージが具体化しましたし…特に「天使たちの残暑見舞い」のイラストにはドキッとしましたね!!このイラストを含め、ほぼ全編にわたり漂う“百合”の香りにも、すっかり魅了されました(笑)2019/07/20
mocha
103
タイトルが面白くて手に取るもなんとシリーズの3作目。過去の話がわからなくて少々もやもやしたけど大勢に影響なし。なかなか面白い日常の謎系連作ミステリーだった。高校生のやり取りのテンポがよく、探偵役の飄々として謎めいた雰囲気もいい。ただ妹のキャラクターはやり過ぎで引いてしまう。「針宮理恵子のサードインパクト」が良かった。2018/03/31
セウテス
102
【裏染天馬】シリーズ第3弾、短編集。5作の短編とおまけ、面白いのは3作の長編殺人事件と時系列がリンクしている事だ。会話などから体育館の殺人の2週間後だと解ったり、敢えて一つの時間の流れの中で描いているのは心地好い。またタイトル作品は「競作五十円玉二十枚の謎」を意識した作品であり、「その花瓶にご注意を」では天馬の妹鏡華が推理を披露するなど、変化に富んでいて大満足。謎そのものは日常の謎なのだが、推理の過程は本格ミステリの手順そのままを体験出来る。それにしても様々な所で繋がりを作っており、気づいたらニヤリです。2020/05/10
OSOGON15
91
裏染天馬シリーズの連作短編集5話+おまけ。夏祭りにやって来た、裏染天馬と袴田柚乃たち風ヶ丘高の面々。たこ焼き、かき氷、水ヨーヨー、どの屋台で買い物しても、お釣りが五十円玉ばかりだった。なぜ・? 長編とは違って殺人事件は起きない。ライトで安心して読める短編も面白い。2023/09/29