出版社内容情報
雨の放課後、体育館での殺人事件に挑む、高校生探偵・裏染天馬の活躍。“平成のエラリー・クイーン”こと青崎有吾記念すべきデビュー長編。大幅改稿で贈る、第22回鮎川哲也賞受賞作。
内容説明
風ヶ丘高校の旧体育館で、放課後、放送部の少年が刺殺された。密室状態の体育館にいた唯一の人物、女子卓球部部長の犯行だと警察は決めてかかる。卓球部員・柚乃は、部長を救うために、学内一の天才と呼ばれている裏染天馬に真相の解明を頼んだ。アニメオタクの駄目人間に―。“平成のエラリー・クイーン”が、大幅改稿で読者に贈る、第22回鮎川哲也賞受賞作。待望の文庫化。
著者等紹介
青崎有吾[アオサキユウゴ]
1991年神奈川県生まれ。明治大学卒。2012年『体育館の殺人』で第22回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。第二長編の『水族館の殺人』は第14回本格ミステリ大賞候補作となるなど、いま注目の若手ミステリ作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
598
面白かった!平成のエラリークイーンという帯に惹かれて読んで見ましたが、なるほどなぁという感じです。ロジック自体は、「やたらはっきり言い切っているけど、そうとは限らないんじゃない?」と感じる物も多いのですが、そこはご愛嬌の範囲内かなと思います。探偵のキャラも嫌いじゃありません。この路線で連続殺人事件をやって欲しい。次回作以降も読みます2016/02/07
青乃108号
462
「地雷グリコ」から始まったマイブームの作家、青崎有吾。あの大傑作「アンデッドガール・マーダーファルス」シリーズとは全く異なる作品世界の本作は、高校を舞台に古い体育館を密室殺人の現場に仕立て上げてみせる。何と言ってもユニークなのは探偵役をつとめる二次元オタク男子のキャラクターだろう。学校に住み着く彼は警察を嘲笑うかのように理詰めで調査し、推理し、真相にたどり着く。その論理の見事さは爽快感さえおぼえる程である。この作品もシリーズ化されている。また追いかける青崎シリーズを知ってしまって嬉しい悲鳴をあげてしまう。2024/04/30
寂しがり屋の狼さん
425
面白い!シリーズ1作目ですが、先に『風ヶ丘五十円玉祭りの謎』を読んでしまったので私的には2作目(笑)学校の旧体育館でおきた殺人事件のわりに重たくなく読みやすいです(◕ᴗ◕✿)登場人物も個性があり、謎解きをする天才少年【裏染天馬】がアニメオタクの駄目人間なのも(笑)(≧▽≦)本作が著者のデビュー作であるのには驚きました。残りも読まなきゃ💦2021/08/15
徒花
413
KUにて。王道的な本格派ミステリー。久しぶりに「読者への挑戦状」がある作品を読んで興奮した。基本的にトリックの解明をメインにしたハウダニット重視の作品だが、オタクの探偵やコッテコテの脇役が多く、キャラクターも立っているので読んでいておもしろい。小ネタもちょいちょい挟んでくる。じつはトリック自体は派手ではなく、ロジックをブロックのように組み立てて展開していく論理派で、そこらへんも好き。続編もあるので、引き続き読んでいきたいし、これなら紙の本で買ってもいいかも。2016/09/06
stobe1904
369
【鮎川哲也賞受賞作】高校を舞台にした本格ミステリ作品。雨が降っている中、放課後の体育館で放送部の少年が刺殺されたが、密室状態の体育館にいた女子卓球部部長が疑われるが…。トリッキーな設定や特殊状況もない、古き良き王道的な本格ミステリで、ミステリとパズラーの楽しさを改めて感じさせてくれる素晴らしい作品。雨が降っていたにも関わらず、なぜ黒い傘がトイレに残されていたのか、なるほど…。★★★★★2023/12/17