内容説明
第七期棋幽戦第二局は、“碁の鬼”と称される槇野猛章九段の妙手で一日目を終えた。翌日の朝、対局の時間に槇野九段は現れず、近くの滝の岩棚で首無し屍体となって発見される。死の二週間前に目撃された奇妙な詰碁は殺人予告だったのか。知能指数208の天才少年・牧場智久と大脳生理学者・須堂信一郎が不可解な謎に挑む長編本格推理。ゲーム三部作第一弾、牧場智久シリーズ開幕。
著者等紹介
竹本健治[タケモトケンジ]
1954年兵庫県生まれ。東洋大学哲学科中退。77年、雑誌「幻影城」で大作『匣の中の失楽』の連載を開始しデビュー
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
緋莢
14
囲碁の第七期棋幽戦は、若き氷村七段と還暦間近の槇野九段の闘いになった。その第二局は、〝碁の鬼”と呼ばれる槇野九段の妙手で一日目を終えた。翌日、対局の時間になっても槇野九段は現れず、近くの滝の岩棚で首無し死体として発見された。その二週間前に目撃された詰碁が「鬼の首を取る」だった事から、殺人予告ではないかと思われ・・・2017/03/05
ほっしー
9
囲碁のタイトル戦の最中に首なし死体で発見された槇野九段。対局前に目撃された奇妙な詰碁は殺人予告だったのか。天才少年・牧場智久と大脳生理学者・須堂信一郎がその謎に挑む本作。少し囲碁の知識があると理解が深まる場面もあったけど、1つの推理小説として読める。あまり推理小説は読まないけど、「この中に犯人はいる」というパターンは結構ベタっぽいなあと思った。大脳生理学者が登場するので、それにもっと絡めたエピソードが出てきても良かったかなあ。結末はなるほどそうきたかという感じ。2015/04/09
しろ
4
☆6 智久が12歳の話なのにこの大人顔負けの雰囲気や頭脳はやっぱりすごい。そしてあたかも全てを見抜いているような雰囲気を出しながらも推理ミスをしているところなんかがエラリーとちょっとかぶった。謎や真相の薄さや警察の情けなさを感じたけど、囲碁のシーンや犯人と須堂が対峙するシーンなんかはよかった。2010/01/09
なな
3
囲碁に関しては全くの素人なので、暗号の部分はかなりじっくり読まないとわからなかった。短いながらも囲碁のことも知れて、伏線もきっちりしていて良い作品だった。2017/05/02
ありさと
3
囲碁蘊蓄に呑まれた感はあるものの、ミニ失楽の風味もあって楽しめました。とりあえず、智久かわいい。有栖川の解説もオイシイ。シリーズ追いたいと思います。2010/07/16