創元推理文庫<br> 双頭のバビロン〈上〉

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創元推理文庫
双頭のバビロン〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 389p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488441043
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

世紀末ウィーンに生まれた貴族の血を引く双生児、ゲオルクとユリアン。だが、前者は名家の跡取りとして陸軍学校へゆき、後者は存在を抹消され、ボヘミアの廃城で世間から隔絶され育てられる。やがて、ある事件からゲオルクは故郷を追われ、野心と欲望の都市ハリウッドで映画制作の道に足を踏み入れるが……動乱の1920年代、西洋と東洋の魔都で繰り広げられる、壮麗なる運命譚。

内容説明

世紀末ウィーンに生まれた貴族の血を引く双生児、ゲオルクとユリアン。だが、前者は名家の跡取りとして陸軍学校へゆき、後者は存在を抹消され、ボヘミアの廃城で世間から隔絶され育てられる。やがて、ある事件からゲオルクは故郷を追われ、野心と欲望の都市ハリウッドで映画制作の道に足を踏み入れるが…動乱の1920年代、西洋と東洋の魔都で繰り広げられる、壮麗なる運命譚。

著者等紹介

皆川博子[ミナガワヒロコ]
1930年生まれ。72年、児童文学長編『海と十字架』でデビュー。73年「アルカディアの夏」で第20回小説現代新人賞を受賞。85年『壁―旅芝居殺人事件』で第38回日本推理作家協会賞、86年『恋紅』で第95回直木賞、90年『薔薇忌』で第3回柴田錬三郎賞、97年『死の泉』で第32回吉川英治文学賞、2012年『開かせていただき光栄です』で第12回本格ミステリ大賞を受賞する。12年、第16回日本ミステリー文学大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nobby

150
なるほど後半ようやく交わってきた♬20世紀初頭を背景に、ハリウッドにウィーンに上海と場所を変えて、それぞれ違う人物目線でじっくり描かれる章構成。癒着双生児として生まれながら切り離されたゲオルグとユリアン、名声を得た存在は一方を“できもの”と蔑み、片や自らが閉鎖空間に燻る非在を憂う…いつもながら重厚で混沌とする雰囲気に惹き込まれるも正直いろいろと紆余曲折する展開は決して優しくはない(笑)それが或る潜在能力へのアプローチから、一度目にした場面が掘り起こされると期待高まるばかり!暗澹とした予感のまま早速下巻へ!2021/05/26

naoっぴ

74
【芸術週間@月イチ】壮麗、退廃、混沌、幻想の皆川的世界観が頭の中で渦を巻いて眩暈しそう。上巻は、シャム双生児だった子どもが切り離されて別々の道を歩む運命譚のまだ入り口でしかない。物語の歴史的背景と、双子それぞれの重要なのかわからないような話が長々と続き、登場人物の多い群像劇のようでもあり、読みづらかった。物語の方向が見えてきたのはラスト近くなってから。私の頭の中でとっ散らかってるミステリアスなエピソードの数々、さあこれからどう繋がるのか、ちゃんと整理整頓しないと気がすまない(>_<)!すぐに下巻へ。2017/03/24

勇波

69
『開かせて…』みたいな派手さはないけど、読み手の内臓を摑みながら進んで行く物語の重厚感は相変わらず圧倒的です。この雰囲気に浸りながらの読書は至福のひと時なのです。双子の兄弟にパウルら第三者がどう関わってくるのか下巻も楽しみ★2016/08/21

Rin

66
ページを何枚か捲ると、ずっとゲオルクの語りが続く。なんだかよく分からないまま、少しの読み難さを感じながらの読書。それでもユリアンの場面に切り替わってからは、少しずつペースも上がっていった。ふたりの世界に、ふたりの意識。彼らは繋がっているのか?本当に彼らはそこにいるのだろうか?いつものように、どんどん読んでいる私が混乱してくる。これから彼らの世界と、彼ら自身は出会うことはあるのか?特にユリアンの精神が心配になる最後だった。私にとっては世界に浸りにくい物語だったけど、不思議な魔力を感じながら下巻にいきます。2018/07/01

絹恵

49
他者が介入することで、言葉が生まれ、影を知って、すれ違う意識に運命の循環を感じました。結び目を隠して分からなくしてあって、それを探ることは憚られるような波にのまれていきました。解いているのか、結んでいるのかさえ、曖昧になる流れに身を任せることで、邂逅を待ちたいです。2016/11/02

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