創元推理文庫<br> 赤い糸の呻き

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創元推理文庫
赤い糸の呻き

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  • サイズ 文庫判/ページ数 312p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488438111
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

美貌の警察官“ぬいぐるみ警部”こと、音無美紀初登場作「お弁当ぐるぐる」など、魅惑を五編収録。犯人当て、パスティーシュ、不可能犯罪ものほか、西澤ワールド全開!

内容説明

白昼、自宅で新聞紙を鷲掴みにして死んでいた男の身に何が起こったのか―。音無美紀警部のぬいぐるみへの偏愛と、事件の対比が秀逸な、犯人当てミステリ「お弁当ぐるぐる」。不可能犯罪を劇的に描いた表題作、都筑道夫の“物部太郎シリーズ”のパスティーシュ「墓標の庭」など、バラエティー豊かな五編を収録。意外な展開へ読者を誘う、入魂の傑作推理短編集。

著者等紹介

西澤保彦[ニシザワヤスヒコ]
1960年高知県生まれ。アメリカ・エカード大学卒。第1回鮎川哲也賞最終候補を経て95年『解体諸因』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

🐾Yoko Omoto🐾

111
ノンシリーズ短編集。解説で「“そんな馬鹿な”をどこまで“なるほど。そんなこともあるのか”に転じられるか」という一文があるのだが、西澤作品読了後いつも感じる納得感はまさにそれだ。形式としてメインキャラとオブザーバー的キャラのディスカッションによって真相に迫るタイプが殆どで、独特の倫理観の上に成り立つ論理の展開は流石である。またお得意のやや倒錯気味の女子キャラのせいか、相変わらずの変な名前のせいか(笑)どこか馴染みのあるキャラに思えてしまうところもいい。マイベストは動機、ロジックともに秀逸な「対の住処」。2014/07/29

あも

47
第3弾。コメディタッチなミステリ短編集。お弁当ぐるぐる/墓標の庭/カモはネギと鍋のなか/対の住処/表題作。の5編。冒頭の1編のみ後にシリーズ化するぬいぐるみ警部。コメディタッチではあるが、きっちり殺人事件は起きる。主人公は刑事が殆どだが、推理の過程は親しい者との会話中心。ある意味安楽椅子探偵モノに近いのかも。短編とはいえきっちりキャラが立っているので、事件についてあーでもないこーでもないと語り合う様を見るのがこれまた楽しい。対の住処は動機含むまとまりが美しく、表題作はオチが予想外。楽しく読める1冊だった。2017/05/29

hanchyan@住みなすものはこころなりけり

40
“安楽椅子もの”新味模索!とばかりに名探偵とワトソン役、そのコンビにどんなキャラを当て込むか?の展示会のような短編集。どんだけ「退職刑事」好きなんだ(笑)。仮説・反駁を積み重ね強引にロジックを推し進めた結果の意外性と、その結論に対しなんともあっけらかんと突き放す無責任さという、西澤作品ならではの本格メソッドも健在でなによりだ。前者(キャラ)的にも後者(推論の応酬・トンデモ真相・それに対する無責任ぷり)的にも、「対の住処」が良かった。あとパスティーシュなのに会話が西澤キャラの口調なのが可笑しい「墓標の庭」。2015/09/11

hnzwd

39
西澤ロジックが存分に味わえる短編集。読み終わったあとに軽く読み返しながら伏線を探すのが楽しいです。表題作の「赤い糸の呻き」は、西澤さんらしいフェティシズムもちょっとだけ味わえて満足。2014/07/01

buchipanda3

36
ノンシリーズもの短編集(ぬいぐるみ警部の初篇含む)。著者らしい論理的な掛け合いを楽しめた作品ばかり5篇収録。どれも軽妙な会話で話が進められるが、中身は意外にもゾッとさせられるもの。よく練られた構成に、よく捻られたオチだった。「墓標の庭」は幽霊専門の探偵もので意外な事件の顛末。「対の住処」は真相と動機が怖すぎる。題名が巧い。「赤い糸の呻き」は、エレベーターという狭い密室で起きた事件に隠されていた様々な真相にびっくり。題名の意味を知った時の怖さが光る。さらにオチには唖然。あとがきで紹介された作品も読みたい。2017/04/10

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