出版社内容情報
第二次大戦中ニュージーランドの捕虜収容所と、全寮制の女子校で相次いで起きた密室殺人。41年後、同じ女子校で再び残虐な少女連続殺人が……。第20回鮎川哲也賞受賞作。
内容説明
ニュージーランドの全寮制女子校に、親友と共に編入してきたジュリアン。彼女は同校の卒業生である祖母が遺した手記と、古い手紙を携えていた。手記には教会堂で起こった殺人事件について、手紙には復讐をにおわせる不吉な一文が記されている―。教会堂での伝統行事の夜、ジュリアンと6人の女子生徒たちに悲劇が…。これはあの事件の再現なのか?新鋭が贈る本格ミステリ。
著者等紹介
月原渉[ツキハラワタル]
1978年神奈川県生まれ。2010年『太陽が死んだ夜』で第20回鮎川哲也賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
toshi
56
2010年のデビュー作で、鮎川哲也賞受賞作。舞台は1984年のニュージーランド。あるメソジスト系の女子校で、陰惨な殺人事件が発生します。それは41年前の事件の見立て殺人でした。果たして密室の真相は、そして犯人は誰なのか?犯人や動機はそんなに難しくなく、鮎川哲也賞っぽくないと感じましたが、文章に余韻があって良かったです。青春の甘酸っぱさも味わえます。2024/07/15
七色一味
43
読破。いわゆる「嵐の山荘」ものです。41年前の事件を背景に、まるで誘蛾灯に引き寄せられるように主人公をはじめ、女学生(作品の雰囲気的に、この単語が相応しい感じ)たちがメソジスト系の全寮制女子校に集まってくる。途中に挿入される手記が作品全体の雰囲気を作り、また事件の大切な鍵ともなっていきます。重苦しい閉塞感に満ちた作品ですが、頁を繰る手が止まりません。密室も出てきますが、個人的には密室である必然性は感じられなかったかな。2014/11/21
kate
27
41年前の事件を記した手記と現在の出来事が交互に描かれ序盤は特に怪しげに流れる不穏な空気が醸し出され良かった。ただ中盤以降物語が加速するのと同時に描写が簡素になりただ死体を増やしていっている感じを受けたのは残念。犯人の動機や密室の"why"も取って付けたようで中途半端な印象を受けました。序盤の雰囲気が良かっただけに勿体無いとは思いました。2014/06/18
川崎川
11
1980年代ニュージーランドの寄宿学校に暮らす女生徒達と日本から来た留学生を巡る殺人事件。背後には、41年前の第二次大戦で捕虜になった日本兵の存在が…? 鮎川哲也賞受賞作(ってすごいのかは知りません)のデビュー作。面白かった。ぎこちなさはあるけれど、デビュー作でこれなら次はもっともっといいかも! 月光を浴びるシスターの謎だけは解明されてないなあ。2014/07/16
山ちょ13
10
「太陽が死んだ夜/月原渉」読了。初月原渉さん。クローズドサークル+密室+見立てモノ。犯人は分かっちゃったけど、全体的に5割くらいしか解けなかった。ちょっと人物描写が弱いような。。。日記が出てきたので少し注意しながら読みました。(折原一作品により耐性がついたものと思われるw)2014/12/03