創元推理文庫<br> 誘拐作戦

創元推理文庫
誘拐作戦

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  • サイズ 文庫判/ページ数 248p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488434014
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

無断借用のフォルクスワーゲンを乗り回す四人組と古色蒼然たるフォードの主が路上に倒れた女を見つけ、知った顔だと連れ帰ったのが運の尽き。脈は弱まるばかり、おまけに人違いらしいと臍を噛んだところへ、禍を転じて福となす妙案が。―キドナップだよ。この女のおやじから、身代金をしぼりとるのさ。どうだ。すばらしい廃物利用だろう。…かくて泥縄式の誘拐作戦は成りぬ。

著者等紹介

都筑道夫[ツズキミチオ]
1929年東京生まれ。「やぶにらみの時計」「猫の舌に釘をうて」「三重露出」「血みどろ砂絵」「七十五羽の烏」「退職刑事」など小説の著書多数のほか「黄色い部屋はいかに改装されたか?」に代表される評論、キャノン「酔いどれ探偵街を行く」などの翻訳分野でも活躍
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たか

41
都筑道夫は、多数の作品を世に出し、趣向を凝らしたトリッキーな作品を好む作家であったが、作風にクセがあるため、ベストセラーとは縁のない人であった。本書もアイデアの斬新さに驚かされるのだが、万人受けする作品に仕上がっていないのが残念。D評価 2018/02/18

ばりぼー

39
初刊は昭和37年(1962年)。二人の語り手が正体を明かさずに、交互に書き進めるという構成は、今時のすれっからしのミステリ読みには、仕掛けの見当がついてしまうかもしれませんが、何しろ50年前の作品ですので、当時としてはかなり斬新で「前衛的」な試みだったと思われます。社会風俗の違いによるわかりにくさはともかく、語り口が落語調というか講談調なため、正直言って読みづらく作品の世界に浸るまでに苦労しますが、そこがクリアできれば、意外などんでん返しの待つラストまで一直線。誘拐トリックのスタンダード作品です。2014/03/07

ラムネ

7
主役は遅れてやって来る、なんて言葉を聞いたことがある。 でも実際、主役は最初に登場してくる。 なかなか登場してこないのに、存在感をいっぱいなのは、 ボスだったり、黒幕だったりだ。 既に登場していた意外な人が、その人だったりもする。 都築道夫という作家は、僕にとってそういう存在だ。 どういう存在? ずっと噂に聞いて知っていたけど、なかなか姿を現さなかった人。 やっと見つけた!2017/12/01

来古

3
三百万円の表現に「三千人の聖徳太子」と表記するところに、時代(1962年)を感じた。2015/10/19

Sizenote

3
[★★★★☆]昭和37年発行で、この大胆さ!語りのスタイルから最後の註まで遊び心があって楽しめました。比較的「誘拐もの」というのは傑作が多いと思うのですが、この作品はその全ての始祖ではないかと思うほど、面白いですね。あまり深く掘り下げない人間の描き方などからすると、新本格ブームで出てきた作家たちはここに連なる気がします。ミステリー好きな人は読んでおいて損はない一冊。2009/09/30

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