内容説明
とてつもなく大きな橋を支える巨大コンクリートの塊の中に、国家機密とされるシェルタがあった。現代の最高技術で造られたこの密室に滞在することになった六人が、一人ずつ、殺される。痺れるような緊張感の中、最後に残った二人。そして世界が反転する――。謎、恐怖、驚愕。すべてが圧倒的な傑作長編ミステリィ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
121
森さんの作品は久しぶりです。本格ものが少なくなって遠のいていたのですが久しぶりに堪能しました。相対性理論の講義があったりあるいはアガサ・クリスティーを思い起こさせてくれたりでサービス精神満載でした。ただやはり最近の若い人を意識しているせいか、むかしのイメージからは少し遠ざかっている気がします。2018/11/23
おかむー
83
約20年ぶりの再読。タイトルも著者も忘れていた作品に再会してみたら「すべてがFになる」ほか短編などで苦手意識のあった森博嗣だったという不思議な縁。大まかな設定とエピローグをおぼろげに覚えている程度だったので550pのボリュームも苦にならずほぼ一気読みでしたよ。『たいへんよくできました』。タイトルからもわかる古典へのオマージュ感あふれるクローズドサークルミステリとしての読み応えも充分ながら、終盤で種明かしがされたと思ったところへの別視点からの手記で物語の意味合いが一気に反転する。一読の価値ありですよ。2018/09/18
ちょこりり@あかめ
70
いわゆる森ミステリィ。あるいは問題作。核シェルタ。密室。天才。連続殺人。アンカレイジ。科学者。Souhei&MoeやVenicoで求めた哲学が、本書でも展開される。詩的でお洒落で洗練された世界観の渦に呑み込まれる。圧巻のトリック連打で煙に巻かれる。すべての境界が曖昧になる。暗転する。足場を見失う。反転する。前後不覚に陥る。一回転する。アルコールを摂取する。倫理観が崩壊する。酔っ払う。分からないという事を理解する。煙草を吸う。森博嗣の定義する哲学に触れる。単純かつ純粋な動機で森ミステリィを手に取る。2021/09/23
たか
56
【再読】評価が分かれる一冊だろう。巨大な橋を支えるコンクリートの塊の中に、国家機密であるシェルターがあった。現代の最高技術で造られたこの密室に滞在することになった六人が、一人また一人と殺されていく…。緊迫した空気の中、最後に残った二人。謎、恐怖、驚愕が渦巻く中、衝撃的などんでん返し!そして、全てが暗転するラスト!自分の信じていた足場が崩れていく感覚。個人的に、ツボにハマった、衝撃度の大きい作品となった。A評価2020/07/12
佳蓮★道央民
53
★★★★★★初読み作家さん。めちゃくちゃ面白かったし、久しぶりの長編ミステリー読みました。長かったけど、最後までドキドキ感を味わえて楽しかったです。本当に面白かった!次、誰が殺されるかはちょっと想像出来ちゃったけど、それまでのトリックが面白かったです。巧妙に作られてますね(笑)こう言うミステリーが作れる作家さんが凄いわ!!もう途中からこの二人精神崩壊してますよね(笑)一気読みさせていただきました!ありがとうございました!こんなに面白い作品を読ませていただいて有り難いです。こんなバルブに入りたくないな(笑)2018/10/09