内容説明
卓抜なプロットを詩情豊かに描く本格推理の巨星・土屋隆夫の業績を俯瞰する待望の集成第二巻。代表作『危険な童話』と、日本推理作家協会と改組して初めての協会賞(探偵作家クラブ時代から通して第十六回)を受賞した『影の告発』を収録。ともに限定された状況下で起こる殺人をテーマに、不可能興味溢れる傑作推理である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
geshi
21
昭和の社会派路線の推理小説に抒情性を加えているのが特徴的。警察が基本男しかいなくて家庭を顧みなくて煙草の煙ムンムンなのが時代を感じる。『危険な童話』童話と殺人事件とのアンバランス感を出したかったのかな。凶器の消失トリックも指紋の謎も長編には小粒で落とし方も強引に見える。『影の告発』序盤でアリバイの壁を強固にして中盤は動機探しとなる被害者の過去の掘り下げで不審な死を見せて興味を保たせる。小さなトリックの組み合わせだが最大の手掛かりの伏線は流石の一言だし、何よりタイトルのつけ方がうまい。2024/11/03
こすもす
10
「危険な童話」 「影の告発」 どちらもトリック や 人間描写が細かく描かれてあり最後までグイグイ引き込まれた。2014/12/01
きゆやすか
1
何かで気になり、予約したはず… 「危険な童話」と「影の告発」の2編収録。2021/05/15
青縁眼鏡
1
派手さはないが、静かな緊張感が作品全体を覆っている。デンマークのテレビドラマ『キリング』とも似た雰囲気がある。2015/10/11
ア・トイロッテ(マリポーサとも言う)(各短編の評価はコメントで)
1
★★★★ 8 収録されている二つの作品はアリバイ崩しという点において、非常にレベルが高い。しかも暗い背景を絡ませたつくりとなっていて、これが土屋隆夫の特徴らしい。ほかの作品も気になりそうだ。2011/06/28
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