出版社内容情報
都筑道夫が師事した短編の第一人者の全貌が明らかに。第4巻は、幻想の極致を極め、澁澤龍彦が絶賛した表題作を始めとする、SF・コント篇。
内容説明
異様な精神が創り上げる罪の庭の美を描く表題作のほか3篇を収録する“幻想小説篇”に、書籍初収録の「露店将棋」「ビヤホール風景」を収める“コント篇”、「ロボット殺人事件」など科学趣味に溢れた先駆的な作品を集めた“SF篇”で贈る第四巻には、未発掘だった随筆と関連資料を多数併載する。生前歿後を通して初の単著文庫となる決定版全集、堂々完結。
目次
零人
幻影城
黄色い斑点
幻術自来也
コント・コントン
寸計別田(SUKEBETTA)
階段
賓客皆秀才
銀狐
日曜日の朝〔ほか〕
著者等紹介
大坪砂男[オオツボスナオ]
1904年東京に生まれる。谷崎潤一郎の書生、警視庁鑑識課職員などを経て、師事していた佐藤春夫の推薦により「宝石」に発表した「天狗」でデビューを飾る。50年、「私刑」で探偵作家クラブ賞を受賞。ほか代表作に「零人」「外套」など。65年歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
33
大坪砂男短編全集、これにて完結。表題作なんて中井英夫の薔薇シリーズにも通じる美しさとグロテスクさの紙一重さがたまりません。コント篇は笑点のような軽やかな笑いではなく、ブラックな笑いなのが微妙かな。SF編はロボットを主題にしたミステリーが多かったので嬉しい掘り出し物でした。でも他の人々の大坪砂男氏に対しての罵倒と自虐を込めた捻くれた酷い人間像とぶっ飛び短編の『天狗』が与えた衝撃になぜか、笑ってしまいました。2013/10/18
ゆづたろう
2
1番驚いたのは日下三蔵による編者解題で書かれていた『まどマギ』脚本家虚淵玄が大坪砂男の孫だという話。だから何だって話かも知れんが、素直に「おおっ」となった。あと山村正夫などのエッセイで作者の酷い人間ぶりが描かれているのがやはり面白い。収録の小説作品としては1、2巻に比べるとイマイチ衝撃度がないものが多かったんだけど、前記の内容と合わせて今巻も充分楽しんだ。2013/10/18
ノコギリマン
1
作家としての大坪砂男、人物としての大坪砂男。 魅力的でした。寡作の天才作家、アコガレル~2014/04/10
kanamori
0
☆☆★2014/10/09
しろっち
0
表題作は「天狗」の裏返しのような奇譚。「ロボット殺人事件」も楽しんだ。2015/02/17
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