出版社内容情報
ある人との出逢いをきっかけに、栄美の高校時代の思い出はまったく別の形を見せてゆく──。「誰かのために」清廉な願いを名手が鮮やかに描いた、忘れがたい青春ミステリ。
内容説明
帰国子女の栄美は桜の美しさを楽しむ余裕もなく、不安いっぱいで日本の高校での初日を迎えた。幸いにも友達ができ、気になる男の子とも仲良くなれたものの、やがて辛い別れを経験することに…。時は流れ、大学生となった栄美の前に現れたある人との出会いをきっかけに、高校時代の思い出はまったく別の形を見せてゆく―。『慟哭』の著者が仕掛ける、忘れられない青春ミステリ。
著者等紹介
貫井徳郎[ヌクイトクロウ]
1968年東京都生まれ。早稲田大学商学部卒。93年に『慟哭』でデビュー。2010年、『乱反射』で日本推理作家協会賞を、『後悔と真実の色』で山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
165
意外にも自分にとっては初の貫井さん作品でした。解説にも書かれてあるように、かなり異色の作品であるようでして、いい意味で何のストレスもなく、サラサラと読むことができました。やっぱり書ける作家さんってのは、どんな作風も書けてしまうのでしょうね、きっと。みなさん、レビューにも書かれているように本当に爽やか、かつ社会性をも主張した内容だと思います。「何か読みたいけど、重い(厚い)にはちょっと・・・」という時にオススメな一冊です。出張時や通勤または通学時のちょっとしたスキマ読書のお時間によろしいのではと思います。2013/07/25
takaC
134
It will be fine tomorrow. 仕掛けが陳腐だったから言うわけではないけど、ミステリ的な要素は蛇足のような気もするな。単純な青春小説でも十分お腹いっぱいになれたと思うよ。2015/08/18
あも
105
え?これぬっくん?ページ数少なくない?文字でかくない?え?帰国子女の栄美(エイミー)の初心な恋愛が第1章で描かれ、第2章はユージと黒人のアンディの友情の話。爽やかでほろ苦い青春小説は、少しばかりの不思議を読者の心に残したまま最終章へ進む。あぁ、ぬっくんだわ。さすが。いつも執拗なまでに登場人物各人の心と行動を描写する著者だが、本作は非常に軽やか。しかし、物語が全容を表した時によぎる確かな納得感と切ない余韻。代表作となるような大作ではないが一服の"大人の"清涼剤のような1冊。明日の空は?答えは本書の中にある。2018/06/14
にいにい
78
貫井徳郎さんの作品は、「慟哭」等の社会的テーマで重い作品が頭に浮かぶ。しかし、こんな爽やかそうな青春物も書くんだ。 読みやすい文体で、得意の難解な言い回しも抑えている。 昔からのファンも嬉しい謎とギミックは忘れられてない。 第一部帰国子女への謎から、第二部大学生の語学習得バイトへと話は進むが、読者を迷わす語り手ギミック。第三部で全体が明らかになる。 その中で、「差別や人を思うこと」というテーマを救いのある形で締め括っている。 こういう貫井さんも魅力。 善意の連鎖というバトンを渡し続ければ「明日は晴れる」。2013/11/27
ワレモコウ
63
高3の時に、帰国子女として日本の高校に編入した栄美。クラスメイトとの友情や恋愛、周りに起こる不思議な出来事などが描かれるPart1。 夜の六本木で、外国人ガイドをしながら語学を学びお金も稼ぐ大学生のユージ。そこで知り合い意気投合する黒人のアンディとの出来事が描かれるPart2。大学生になった栄美の前に現れた山崎先輩。どこでどう繋がるのかのPart3。 貫井さんっぽくない爽やかさ?200頁ほどの作品なのに、意外性や差別問題、甘酸っぱさや切なさを盛り込むとは…伏線回収もお見事でした!2021/12/25
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