出版社内容情報
星城大学の研究者早乙女静香は宮田六郎と京都へ旅することになり、かねて興味を抱いていた崇徳院について調べようとする。その矢先、宮田の知人である京都在住のジャーナリストが失踪、静香を敵視していた歴史学者が遺体となって崇徳院ゆかりの白峯神宮で見つかるなど、二人と接点を持つ人物が奇禍に遭う。そして知り合ったばかりの社長令嬢も……。警察に疑惑の目を向けられながら事件を解明すべく奔走する宮田と静香。歴史上の謎に通じるその真相とは?
鯨統一郎[クジラトウイチロウ]
内容説明
星城大学の研究者早乙女静香はバー“スリーバレー”でライターの宮田六郎と知り合った。歴史談義で角突き合わせるだけの関係だったが、どうしたわけか共に京都を旅する成り行きに。ところが、観光と洒落込む間もなく彼らの知人が次々と奇禍に遭い、被害者との接点に注目した警察は二人を追及しはじめる。事件を解明すべく奔走する宮田と静香。歴史上の謎に通じるその真相とは?
著者等紹介
鯨統一郎[クジラトウイチロウ]
1998年、『邪馬台国はどこですか?』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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sin
79
あの邪馬台国シリーズがバーを飛び出して、新興宗教の犯罪を阻止するという…芯の部分には西行の謎といった歴史が据えられているものの、その謎解きとミステリの部分がいまひとつ馴染んでいないように感じてなりません。宮田のモテモテぶりも取ってつけたようで、なんだかうまくいきすぎる結末に二人の行く末すら思いやられます。2016/07/20
のぶ
55
歴史ミステリーのような、トラベルミステリーのような、どちらにも当てはまらないような軽い長編ミステリーだった。キャラクターの乗りはいつもの鯨作品とあまり変わらないのだけど、タイトルの崇徳院の事が中盤過ぎてもほとんど出てこず、〈十四人ノ心〉と言う新興宗教に殺人を絡めた話で、いつもの歴史や雑学の薀蓄を求めて読んでいった自分はちょっとはぐらかされた感じだった。最後で歴史の謎解きはされたものの、本作は自分の求めていたものとは違っていた。自作に期待したい。2016/09/21
takaC
54
これまた鯨サンらしい展開。気張って読まない方が良い。2019/02/17
hnzwd
50
邪馬台国はどこですかシリーズの主人公二人が、歴史の謎と一緒に現実の謎も解くという中編。歴史ミステリと現代ミステリの合わせ技、ってことで、Q.E.D.シリーズと構造がほぼ一致してしまいました。。ボリュームの問題から歴史の謎も少し小粒?短編集でのトンデモ論を強引に説得する感じも好きなのですが、、まぁ、サイドストーリーということでさくっと読了。2016/08/03
山本真一郎
41
読了。約一年ぶりの鯨統一郎。そして久々の「邪馬台国はどこですか?」シリーズ。本屋で見つけた時は思わず「おっ!」となって購入してしまった。同じ早乙女静香が登場する別の「殺人紀行」シリーズは兎も角、このシリーズって殺人事件なんて起きた事あったっけ?と言いたくなってしまったものの、やや軽量に思える事件と歴史上の謎を上手い事絡めているのは相変わらずお見事。日本三大怨霊の一人である崇徳院と西行の関係性すら知らなかった無知な自分にとっては、本作の蘊蓄は新鮮で読み応えがあったと思う。今後もシリーズの続編は希望したい。2016/07/27