出版社内容情報
事務所にはいってきた見知らぬ女は、おれの名前を確認するなり、拳銃をぶっぱなしてきた。反撃には成功したものの、うっかり女を死なせてしまい、なぜおれを狙ったのかは聞きだせなかった。ならば自分で調べるほかない。おれはジョー・ヴェニス、このニューヨークを根城とする私立探偵だ……(「ヴェニスを見て死ね」)。私立探偵ジョー・ヴェニス、創元推理文庫に登場。プロの仕事を堪能できる5つの中短編とプロローグを収録。解説=池上冬樹
内容説明
事務所を訪ねてきた見知らぬ女は、おれの名前を確認するなり銃を撃ってきた。反撃には成功したものの、女を死なせてしまう。仕方なく、おれは自分がなぜ狙われたのかを調べることに…(「ヴェニスを見て死ね」)。街があり、人がいて、事件が生まれる。ニューヨークの私立探偵ジョー・ヴェニス、創元推理文庫に登場。プロの仕事を堪能できる5つの短編に加えプロローグを収録。
著者等紹介
木村二郎[キムラジロウ]
1949年大阪府生まれ。ニューヨーク市ペイス大学社会学部卒。帰国後は翻訳家、ミステリー研究家として活躍。90年、初の小説「ヴェニスを見て死ね」をジェイスン・ウッド名義で“ミステリマガジン”に発表し、作家デビューを果たした(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kousei
6
ハードボイルド短編集、著者は翻訳者でニューヨークの私立探偵が主人公。様式美に支えられた短いセンテンス。人物外観を細かく描き、ストーリーに直接関係がない行動に細かく解説を入れ、古典ってこういう感じなのかな。プロットは良いけど、短編にこれらの様式美を詰め込むと肝心なストーリーがおろそかになっちゃう。古風だけど好みの問題かなぁ。2017/09/28
ゆりっぺ
2
古風なハードボイルド。懐かしい感じがする。こういう探偵小説は大好きなので続きも読みます。2012/02/05
guriko
1
著者初読。短編集で全編結末は予想がつくけれども、作者名を見なければ私立探偵小説の翻訳物としか読めない、この空気感だけで満足できる。 2023/12/10
ヨコケイ
1
探偵ヴェニスの1。翻訳家や評論家が創作に手をつけるのはままあるけど、ジャンルの骨法を知り尽くしている感じがある。解説にもある小鷹信光『探偵物語』とか。舞台は90年代、NYマンハッタン。日米MIXの中年探偵の一人称。探偵が命を狙われる表題作「ヴェニスを見て死ね」は一番派手で出来がいいかしら。失踪人捜しが発端の「長い失踪」「過去を捨てた女」「秋の絞殺魔」。身許調査が事件に繋がる「バンバン」。いずれも定型を踏むゆえ、ミステリ的な結末はあからさまで驚きは一切ないが、テンポは良くプロっぽさが愉しい。2023/04/30
がしがし
1
ちょっと古めの海外ミステリー。しかし、作者は日本人。2018/05/21