出版社内容情報
荒城のもとに持ち込まれる、地中海での客船消失事件。それは、伝説の犯罪者・夜叉姫からの招待状だった。豪華客船内で発生する連続殺人の謎を、探偵たちは解き明かせるか? 『雲上都市の大冒険』に続くシリーズ第2弾。
内容説明
荒城の事務所を一人の男が訪ねてきた。戦前、欧州からの引き揚げ船で見た並走する船の消失事件。その船上にあった美女の像の謎。それらを解明してほしい―。だが男は豪華客船への招待状を残して殺害されてしまう。船へ乗り込んだ荒城と殿島を待ち受ける密室殺人と伝説の犯罪者からのメッセージ。抜群のリーダビリティとキャラクター造型で魅了する、“大冒険シリーズ”第二弾。
著者等紹介
山口芳宏[ヤマグチヨシヒロ]
1973年三重県生まれ。横浜国立大学卒。2007年、『雲上都市の大冒険』で第17回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。奇想天外なトリックで注目の本格ミステリ界のホープ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bugsy Malone
80
シリーズ2作目。昭和二十年代後半を舞台にした名探偵対怪人という懐かしい冒険活劇という構図の中、時代の流れと共に変わらざるを得ない探偵と怪人の有り様を二人のあまりにも個性的な名探偵と哀愁さえ憶えてしまう怪人の対決を通して描き出した、かの傑作『ルパン三世 GREEN vs RED』をも彷彿とさせられる小説だった。かといって決して堅苦しい訳でもなく、前作同様語りは軽妙で可笑しみもたっぷり。単なる冒険活劇では終わらない、次作に期待がかかる一作でした。これは面白かった。2018/04/16
ホームズ
19
『雲上都市』からミステリとしては更に・・・ですが冒険小説として読めばかなり楽しめる小説(笑)真野原の義手がドンドンパワーアップしていく気がするし、殿島君の巻き込まれっぷりも(笑)今回も途中チョット余計な殺人があったのが少し残念。2人の探偵の冒険をもっと読みたくなりますね~(笑)2012/02/20
HANA
16
ミステリというより探偵冒険活劇。技巧に満ちた華麗なる動機無視の殺人や宝石に秘められた秘密、怪人対名探偵等ノスタルジアに満ち満ちた舞台を堪能しました。しかし現在のミステリはどんどんメタな方向に向かっていますね。ある種独特な立ち位置を保った探偵以外、そういう方向でしか探偵の活躍する場所はもうないのかなあ。そういう意味では登場人物の残した最大の敵は時代、というのも何だか物悲しく聞こえる。2012/02/23
じゅんぢ
15
名探偵VS怪人という好きなシチュエーションのミステリー。ただ、名探偵二人のキャラが濃いすぎる為怪人のキャラが薄く感じる。この先、怪人をどのように肉付けしていくのか楽しみだ。2017/07/14
ローリー
15
子供の頃、少年探偵団とか楽しんだ口なので、山口さんの大風呂敷広げるタイプの冒険小説は大好きです。今作も期待して読みました。魅力的な設定と素っ頓狂な探偵に不可思議な謎…、細かい突っ込みどころなんか力業で寄り切って、スカッと楽しめる、それが山口作品の魅力だと思うのですが、今作ではちょっと力が足りない感じで残念でした。探偵と悪人が正面切って丁々発止と言うのなら楽しいですが、今回は悪人が準備した舞台で踊っているだけの探偵たちと言う感じがしてなんだか欲求不満でした。あと、もう少し殿島さんがもてると嬉しいなぁ。2012/03/09
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