内容説明
ミステリ作家にして名探偵エラリー・クイーンが出版社の招きで来日、公式日程をこなすかたわら、東京に発生していた幼児連続殺害事件に関心を持つ。同じ頃アルバイト先の書店で五十円玉二十枚を千円札に両替する男に遭遇していた小町奈々子は、クイーン氏の観光ガイドを務めることに。出かけた動物園で幼児誘拐の現場に行き合わせるや、名探偵は先の事件との関連を指摘し…。
著者等紹介
北村薫[キタムラカオル]
1949年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。89年、「空飛ぶ馬」でデビュー。91年、「夜の蝉」で第44回日本推理作家協会賞を受賞。2006年、本書で第6回本格ミステリ大賞(評論・研究部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
中原れい
78
久しぶりの再読。本質はあとがきや解説にも書かれた通り「思いっきりクイーン論・ことにシャム双子の」であろう。これがクイーンの翻訳に入っている不思議と考えるとニヤニヤ笑ってしまう。日本に関することに交じる勘違い具合も本物っぽくて北村さん上手いなあって思ってしまう。1章ごとに訳注が沢山ついているのも本物っぽい、なつかしいwそれでいてしっかりと「50円玉20枚の謎」について書くことにもなっている。謎の解としてはうまいとはいえないがイマドキっぽい犯罪のようでもあり…時を経てもアツい1冊です。2021/06/07
セウテス
67
〔再読〕エラリー・クイーンのパスティーシュ作品であり、北村薫氏によるエラリー論でも在ります。よってある程度のエラリー作品を読んでいると、にやり頷きあ~分かる等の特別な満足感に浸れます。しかしエラリー作品を知らない人が読んでも、充分楽しめる様に気遣われていますし、読んでみてきっと他のエラリー作品を読みたくなる事間違いなしです。一つの話の中に、エラリー作品の前期後期に分かれる表現や展開、考え方の違いを見事に描ききったと思います。尚主役の一人の女性こそ若き日の若竹七海であり、あの競作の北村式の答えでもあります。2015/10/30
はらぺこ
64
情けない事にエラリー・クイーンを未読の自分としては、奈々子が過去の作品のウンヌンカンヌンを語る所は正直辛かった。真相に触れるらしいけど粗筋自体が分からん自分としてはチンプンカンプンでした。なのでクイーンを読んでから再挑戦したい。ちょっと無理矢理やなぁと思わせる所はエラリー・クイーンの特徴なんでしょうか? 普段、解説はあまり読まないんですが、これは「あらずもがなの~」を全部読むと当時を知れて楽しかったです。2011/09/17
ダイ@2019.11.2~一時休止
51
山口雅也さんに似た作品(どっちがオリジナル?)。五十円玉二十枚の謎もさりげなく入っており楽しめた。ただEQの作品を読んでない自分には面白さ半減だったんだろうな。2014/06/25
酔拳2
42
エラリークイーンが来日した際に遭遇した事件という体の話。エラリークイーンファンならものすごく面白いんだろうな。言い回しとか注釈とかが、らしくできてるんだろうね。でも残念ながら我輩未読なので、注釈とか正直めんどかったら飛ばしちゃった。話自体は面白かったけど、読む人が読めばもっと楽しめたんだろうと思うと、自分としては中途半端になっちゃった感じ。2017/05/13