出版社内容情報
扇ヶ谷姫之、朝比奈亜沙日、そしてロシアからの留学生アナスタシア・ベズグラヤは日本史好きの高校2年生。普段からあれやこれやと歴史談義を続ける仲良し3人組。それが嵩じて、歴史雑誌『ジパング・ナビ!』の公募企画に投稿、入選を狙う――。日本史上の新説・珍説で、有名歴史小説家のサイン本など豪華商品をゲットするのだ! 本能寺の変を裏で操っていたという黒幕の存在、ヤマトタケルと剣の謎、春日局をめぐる大奥の真実など、女子高生“歴女”3人組の新解釈。第2回ミステリーズ!新人賞受賞作家が軽やかな筆致で贈る、連作ミステリ。
内容説明
扇ヶ谷姫之、朝比奈亜沙日、そして交換留学生アナスタシア・ベズグラヤ(通称:ナスチャ)は日本史好きの高校生。事あるごとに日本史談義を続け、ついには歴史雑誌『ジパング・ナビ!』の新説公募企画にそれぞれが投稿、入選と賞金を狙う。本能寺の変の真相、ヤマトタケルと剣の謎、大奥の秘密など、女子高生“歴女”三人組の魅力的な新解釈を、気鋭の著者が連作ミステリで贈る。
著者等紹介
高井忍[タカイシノブ]
1975年京都府生まれ。立命館大学卒。2005年、綾辻行人・有栖川有栖両氏に絶賛され、短編「漂流巌流島」で第2回ミステリーズ!新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
53
高井さんの本にハズレはないですね。「漂流巌流島」のような作品を期待していたところ、見事に的中。しかしこれは歴史に期待する「意外な真相」への期待を皮肉ってもいますから、ある意味、「漂流巌流島」から一歩外へ抜け出た作品でしょう。くれぐれも表紙カバーにだまされないように。読めば、非常に密度の濃い、すばらしき歴史の議論が待っています。2015/11/23
ヨーイチ
40
読書メーターをやってなかったら見つけられなかったし、Amazonが無ければ買えなかった。歴女って言葉をよく見かけるが、そういう子達が主人公。ラノベ風だが資料満載で歴史の謎解きを楽しめる。そこら辺の真贋は素人には手に余るし、するべきではないという立場で読了。思ったよりも歴史物としての重量感が有り、高校生の会話とは思えない程。引用も多すぎるくらいで小生は適当に飛ばした。歴史雑誌に投稿するって形式は色々なテーマを選べるし適当に遊べるので上手い手と感心した。続く2019/03/25
ソラ
35
ジャンルは歴史ミステリィだが、よくある奇抜だったらそれでいいというトンデモ系の歴史ミステリィに対する批判を交えているだけあって、内容はとても正当。ただ、この内容であるなら小説としてじゃなくて、普通に新書とかそんな感じで読みたい。2015/12/06
はるき
25
歴史のイフを女子高生がそれらしく解釈する連作集。結構ディープな歴史観で正直驚きました。キャラが時代を追いかけすぎなのが気になるので、もう一ヒネリ欲しかった。2016/05/13
きょん
23
美少女達の表紙にライトミステリかと思って読み始めたら、どっこい重厚な歴史再検証ものではないですか。安直な歴史新解釈への批判もごもっともなんだけど、そのお遊びが楽しいっていうのも捨て難いんですよね。2015/12/08