出版社内容情報
女だてらに武の道を選んだ毛利玄達は、男装し諸国を巡っている。ある日琵琶湖を往き来する渡し舟の上で、無手勝流を名乗る“土佐の卜伝”なる人物と出会った。乗り合わせたほかの乗客にまで迷惑をかける武士を体よくあしらった卜伝に感銘を受けた玄達だが、昔から縁の深い柳生十兵衛曰く、その“卜伝”には裏がありそうで……。隻眼の剣豪・柳生十兵衛と毛利玄達が様々な流儀の達人たちの抱える“謎”を、華麗に解き明かしていく! 第二回ミステリーズ!新人賞受賞作家が贈る、傑作書き下ろし時代ミステリ四編。
内容説明
女だてらに武の道を選んだ毛利玄達は、男装し諸国をめぐっている。同じく放浪を続ける腐れ縁の柳生十兵衛に、何かとちょっかいを出されつつも研鑽に励んでいる。ある時“卜伝”と名乗る人物に出会い、そのふるまいに感銘を受けるが、十兵衛によると、彼には見過ごせぬ裏がありそうで…。隻眼の剣豪、女武者と共に謎に挑む!期待の新鋭の放つ、傑作書き下ろし時代ミステリ短編集。
著者等紹介
高井忍[タカイシノブ]
1975年京都府生まれ。立命館大学卒。2005年、短編「漂流巌流島」で第2回ミステリーズ!新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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優希
73
面白かったです。毛利玄達と柳生十兵衛が様々な事件と出会い、それを解決していく流れがスカッとしました。ライトな感覚も読みやすくていいですね。時代小説とミステリが融合しているので、ファンはきっと楽しめると思います。2019/06/18
R
48
剣豪小説だけども、現代のミステリとうまく融合した内容で、すごく面白かった。サスペンス要素もありながら、謎解きをメインにしつつも、時代背景、殺陣もろもろはちゃんと時代劇をしていてすごくよかった。十兵衛が探偵役なんだが、バディである玄達との掛け合いがすごくよくて、さらにはその良さを堪能した最終編で、古典的なミステリに見事にひっかけられてしまった。もっと読みたい設定とテーマだと思った。2023/06/19
けやき
38
柳生十兵衛と毛利玄達(女武芸者)が史上有名な剣豪やその技の謎解きをします。「兵法無手勝流」「深甚流”水鏡”」「真新陰流”八寸ののべがね”」「新陰流”月影”」の四編。「深甚流”水鏡”」を取り上げてるのとか読むと、ニヤリとしますね。僕が戸部新十郎の「水鏡」を読んでいて知っているのもあり、渋いチョイスだなと思いました。2016/06/18
本木英朗
27
日本の本格ミステリ作家のひとり、高井忍の3作目が、この作品である。俺は当然、今回が初めてだ。女だてらに武の道を選んだ毛利玄達は、男装し諸国を巡っている。同じく放浪を続ける腐れ縁の柳生十兵衛に、何かとちょっかいを出されつつも研鑽に励んでいる。ある時、卜伝と名乗る人物に出会い、その振る舞いに感銘を受けるが、十兵衛によると、彼には見過ごせない裏がありそうで……という話で始まる「兵法無手勝流」ほか3編を収録した『柳生十兵衛秘剣考』であるが、なるほど、うん。さすがであったよ。さすが十兵衛であった。またいつか読もう。2020/06/02
サケ太
23
これは確かに面白い!様々なレビューを読んでて興味を持った作品。男装の剣客毛利玄達と柳生十兵衛が旅の先々で出会った剣豪や剣術の謎に迫る。卜伝を名乗った男の“無手勝流”とは?水の張った桶の上を斬る事で、本当に人を斬った深草甚四郎の”水鏡”。真新陰流の奥義”八寸ののべがね”。柳生十兵衛とは何者か。作者の知識と解釈で語られる逸話や秘剣。読んでて非常に楽しかった作品。2017/11/03
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