創元推理文庫<br> 善人たちの夜―天藤真推理小説全集〈10〉

創元推理文庫
善人たちの夜―天藤真推理小説全集〈10〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 550p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488408107
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

新居購入の資金不足ゆえ結婚に踏み切れないみどりと修三。そんな折り修三の後輩弥太郎から奇妙な依頼が。危篤の父親を安心させるため数日間にせの嫁を演じてくれないか、もちろんお礼も弾むから。相談の末、修三を親戚の者として、にせ花嫁に扮したみどりと弥太郎は病床の父親が待つ郷里の村へと向かったが…。著者の創作過程が窺える未定稿200枚を巻末に収録してお届けする。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

セウテス

99
結婚を控えた二人が、新居資金を得るために選んだのは偽装結婚だった。何の事かと思うだろうが、田舎の資産家の息子が病気で危険な状態の父親に、自分の結婚を見せたいと偽装結婚を持ちかけたのだ。三人は、報酬額やら性交渉は一切しない等の契約書を作成し事に挑むのだが、物語は退っ引きならない予想外の展開になっていく。全編を通して暖かいユーモアに溢れ、シリアスな緊張感に浸る場面でも、何となく楽しめてしまうのは作者らしく私の大好きな所である。設定や結末に多少の違和感を感じるが、随所に見えて来る作者のセンスには参ってしまう。2019/07/17

coco夏ko10角

21
資金ゲットのため偽装結婚するも…なドタバタ。嘘がばれないようにと嘘をつきさらに嘘を…そんな中での本当の気持ち。とにかく弥左衛門が素敵な人だ。今まで読んだ著作の中ではこれが一番好きかも。2020/12/28

α0350α

12
これを読んだら多分天藤真コンプだと思うともったいなくて10年ぐらい積んでいたみたいです。最初はお金のためだったのにだんだん親父さんに惹かれていくみどりが良いですね。逆に修三は何かイヤな感じになっていって面白かったです。2019/02/21

MIKETOM

6
とにかく胸糞悪い小説だった。善人ヅラした胸糞腹黒親子。清純ヅラした胸糞腹黒女。本当は被害者なのに、ストーリーの都合上しょうもない浮気をさせられて悪人のレッテルを貼られてしまう可哀想な浮気男。終盤、腹黒オヤジのクソ人間っぷりが大爆発。自分たちに不利な証拠物件を屁理屈こきながら焼き捨てた上で命を的にしたゲームを提案する。一見公平のようながら、あれは浮気男をピンポイントで狙った罠。浮気男は行くも戻るも全てを失うことになってしまう。生き残るためには敵にリバース罠を仕掛けるしかなかった。しかしそれも失敗に終わり→2025/02/27

Tetchy

5
ミステリというよりもシチュエーション・コメディと云った方が妥当のような至極真っ当な物語。天藤にしては本当にオーソドックス。寧ろストーリーは単なる意匠で、描きたかったのは田舎の大地主の息子との結婚生活奮闘記のような日々苦闘する主人公二人の姿と非の打ちようがないほどの善人の弥左衛門とそれらを取り巻く気のおけない親戚どもの様子だろう。作者自身これを愉しんで書いているような節も散見する。ただ、恋人を一種理不尽な形でレンタルした修三の心境は同情に値する。2009/06/28

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