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創元推理文庫
炎の背景―天藤真推理小説全集〈7〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 401p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488408077
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

新宿歌舞伎町で酔いつぶれた「おっぺ」こと小川兵介は、見馴れぬ場所で目を覚ました。傍らには初対面の通称ピンクルと、もうひとり恰幅のいい中年男。何故かしら男の脇腹には深々とナイフが刺さり、とうの昔に冥途へいらしたご様子だ。山荘の屋根裏に閉じ込められている状況下、前夜の記憶を手繰りラジオのニュースを聴くに及んで、抜き差しならない罠に落ちたのだと悟るおっぺんとピンクル。突如爆発した山荘を命からがら脱出した二人は、度重なる危難を智恵と勇気と運の強さで凌ぎながら、事件の真相に迫ろうとするが…。青春小説の清々しさを具えた、息もつかせぬサスペンスの逸品。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

セウテス

70
新宿で呑んでいた筈が、気がつくとナイフの刺さったままの死体と、山荘の屋根裏に閉じ込められていた。またまた天藤作品、なんて魅力ある物語の始まりを演出するのか。ここより主人公になる二人の逃避行が始まる、ジェットコースター型サスペンスだ。兎に角二人のキャラがいい、性的トラウマを持っている二人である為、ちょっと不思議な青春小説を楽しめる。プロの追跡者と素人の二人が、ギリギリの攻防を繰り広げるのもお薦め処だが、やはり読み心地良いのが特徴。敵も見方も何処か人が良いのにほっこり、ラストが物足りないと思うのは贅沢ですか。2016/10/16

たか

53
古い作品だけど、天藤真にハズレはない。ジャンルは『逃亡型サスペンス』だけど、そこに、天藤真らしい絶妙なユーモアと『ボーイ・ミーツ・ガール』的な青春小説の要素を取り入れている。読後感が清々しい作品。C評価2018/11/15

coco夏ko10角

21
拉致され閉じ込められたおっぺとピンクル、そこには見知らぬ男の死体まで。警察からも命を狙ってる人間からも逃亡するサスペンス。二人のキャラがすごくいい。うまいなぁ。事件の真相、二人がどうなるのか、最後まで読んでて面白かった。2020/09/04

びぃごろ

11
古典と言われ、絶版となってしまう運命かー。天藤作品すでに13冊は在庫なし(偶然手にしたこの本も)解説の新井素子さんの言う通り、嫌な後味が残らないミステリーだ。呼称からして昭和を感じる貴重な本。2018/04/22

Tetchy

10
ジェットコースター的逃亡劇でとにかく先の読めない話だった。山中の風景や場面を描かせると天藤真は無類に巧い。行間から土の匂いや草いきれ、田舎の生活臭が立ち上ってくる。山中における逃亡者と追跡者との一進一退の攻防はコミカルながらも真に迫っており、リアルである。そして今回もまた人物設定が特異で、学生期のトラウマから女嫌いになったヒッピー青年と、同じく学生時代のトラウマから男嫌いになった赤軍派女性を逃亡のカップルに仕上げる辺り、心憎い。しかし最後の真相及び結末がどうにも消化不良。なんとも勿体無い気持ちで一杯だ。2009/06/25

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