目次
1 新人勧誘
2 社会化
3 コミュニケーション
4 ネットワーキング
5 動員
6 攻撃
7 未来は暗いか?
著者等紹介
エブナー,ユリア[エブナー,ユリア] [Ebner,Julia]
1991年ウィーン生まれ。戦略対話研究所(ISD)上席主任研究官。オンラインの過激主義、偽情報、ヘイトスピーチなどを研究対象とする。研究結果をもとに、国際連合、北大西洋条約機構、世界銀行ほか数々の政府機関や諜報機関に対してアドバイスを行っている。「ガーディアン」「インディペンデント」などに寄稿。著書『The Rage:The Vicious Circle of Islamist and Far‐Right Extremism』(I.B.Tauris&Co Ltd、2018年、未邦訳)で「シュピーゲル」のベストセラー、2018年ブルーノ・クライスキー賞を受賞
西川美樹[ニシカワミキ]
翻訳家。東京女子大学文理学部英米文学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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HANA
58
ネオナチのフェスやISISのハッカー教室、Qアノンや白人至上主義者の集まり。ネットが発達して以降世界は様々に細分化されているが、本書はその中でも過激主義の集まりに潜入した記録となっている。彼らがどういう風な世界観を持ちどのような論理に従って動いているか、という事が集会に集まった彼らの言葉を通じてだと理解しやすい。ただ潜入のレポなので、彼らがどういう集団なのかという全体像は多少つかみにくいけど。あとここで紹介されている過激主義が右派だけなのも気になる。左派系の過激主義も多いがそちらは綺麗に無視されているし。2022/04/01
アカツキ
11
昼は過激主義者の動向を日々監視している研究所で働き、夜は白人至上主義、反フェミニズム、陰謀論者などの過激主義組織に潜入してみたというノンフィクション。面が割れているせいで内部に食い込むまではいかず体験入団のような感じまで。著者が書いた記事を白人至上主義者の看板男にやり玉に挙げられて会社から解雇されたという過去が一番インパクトがあった。反フェミニズムで被虐的な女性たちにドン引きしていたら彼女たちの愛読書に「サレンダード・ワイフ」が挙がってビックリ。受け取り方は人それぞれだけど…困惑しかない。2022/02/07
Hiroo Shimoda
9
対面の集まりに偽名で乗り込む前半が特に面白い。どうやって過激組織に取り込まれるものか、リアルさがある。2022/03/07
Satoshi
9
過激思想団体に潜入したレポート。インターネットを通じて過激思想、ひいてはテロリズムが流布されて、一般人が簡単にトリガーを引いてしまう。そして、テロリズムに走った犯罪者がネット上ではヒーローとなる。最終章にてその対策をさらっと書いているが、難しそう。反フェミニズム団体の女性が男性からの暴力を肯定しているのは理解不能だ。昨今のポリティカルコレクトネスの反動だろうが、、、2022/02/20
リットン
8
社会の閉塞感、自分の人生の息苦しさ、居場所のなさ、退屈さに圧迫された若者が、自分の生きがいとして、コミュニティとして、居場所として過激主義が受け皿になっているのだなあ。そのエネルギーをもっと違う方向に向けられたら、と思うと同時に、それはちょっとしたボタンの掛け違いなのだろうと感じた。これまでの歴史の中で、世界が好景気で成長し続けていたときでもこういう過激思想はあったのかなあ、それとも成功の裏には割を食う人が常にいて、こうした対立は人類の歴史上、常に存在しているものなのかなあ。。2022/04/10