内容説明
刺殺された父は、盗まれた埋蔵金の地図の切れ端を固く握り締めていた。―月日は過ぎ、事件が時効を迎えようとするなか、刈谷正雄は十年ぶりに故郷に帰り、父の死の謎と向き合うことを決意する。父は本当に地図を盗んだのか?そして父を殺した犯人とは誰なのか?真実の父の姿を知るために帰郷した青年の探偵活動と恋の行方を爽やかに活写した、田園派本格ミステリの快作。
著者等紹介
岩崎正吾[イワサキセイゴ]
1944年山梨県甲府市生まれ。82年、地域出版社・山梨ふるさと文庫を設立。87年『探偵の夏あるいは悪魔の子守唄』(旧題『横溝正史殺人事件』)でデビュー
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感想・レビュー
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koo
5
ずっと気にはなってたんですが乾くるみの新作ハートフルラブでも紹介されていて手に取ってみましたが非常に読後感のいい作品でした。故郷で父親を殺された主人公正雄が15年ぶりに故郷に戻り犯人を追及するストーリー、閉鎖された村が舞台で昭和の香りが濃厚ですが登場人物たちに陰湿さは皆無でノスタルジー溢れる青春ミステリを堪能しました。事件の真相は物足りないのですが300ページ足らずの作品内で本格の構成は保ってますし何より読み心地が良いので不満はありません、乾くるみの作品内紹介タイトルに外れなしですね、オススメです。2023/03/08
kagetrasama-aoi(葵・橘)
2
岩崎 正吾さん。2014/03/27
ヨコケイ
1
校内暴力が荒れていた80年代、アラサー男性の一人称。旧家の総領息子だった彼は都内で中学教師をしていたが、上司に手を上げてしまい故郷である山梨県の村に帰郷する。15年前の中学生時に窃盗犯の汚名を着たまま父親が殺された苦い思い出の残る村で彼は、時効間近の事件を追う。対立するもう一つの旧家に、埋蔵金伝説に、正体不明の獣と道具立ては恐ろしげだが全然オドロオドロしくない。〈回想の殺人〉っぽい道行きだが謎解き味は薄めで、青春冒険物の読み心地かしら。主人公のマインドが微妙にマッチョなのは昭和のデフォルトか地域性ゆえか。2024/09/03
barcarola
1
「田園派本格ミステリ」とあるのだが、本格的な推理劇というわけではない。話としては十分に面白かった。2018/05/06
kanamori
0
☆☆☆★2012/10/08