創元推理文庫<br> 探偵の夏あるいは悪魔の子守唄

創元推理文庫
探偵の夏あるいは悪魔の子守唄

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  • サイズ 文庫判/ページ数 346p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784488404017
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

因習の村に伝わる奇妙な子守唄、その歌詞どおりの連続殺人劇が、通称八馬鹿村と呼ばれる山間の寒村に繰り広げられる。キチガイじゃが、とつぶやく老人、獄門寺や病院坂…横溝正史の作品を彷彿とさせる世界を舞台に、トリックの冴えをみせる「本歌取り」推理長編。ミステリ・ファンの絶賛を浴びた岩崎正吾の処女作であり、ここに「探偵の四季」4部作の幕が切って落とされる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

セウテス

84
探偵の四季シリーズ第1弾。作者デビュー作品であり、前タイトル「横溝正史殺人事件」からも判る通り、横溝作品のパスティーシュです。謎の子守唄に添った様に人が亡くなった事から、八鹿村の村長に呼ばれた探偵キンダイチが謎を追うミステリ。探偵は勿論、刑事の名前が歴代の金田一耕助役の俳優名だったり、本陣川や獄門寺など私ら横溝ファンにはたまらない仕掛けがある。各章の終わり方が見事なまでドラマ仕立てであり、古谷一行氏の金田一シリーズを思い出しグッとくる。伏線の張りや回収トリックの解明、隠された物語と存分に楽しめる本格です。2019/02/23

geshi

25
人物名から地名・子守唄に因習の村・奇怪な老婆そして事件を止められないキンダイチと、横溝オマージュをこれでもかとつぎ込んだ本歌取りへのこだわりは大したもの。新本格の萌芽の時期にこういったお遊びとしてのミステリを書いているのは挑戦的だなぁ。あくまでメインは本歌取りの方にあってミステリとしては本家に劣るのがハッキリでてしまっている。トリックや子守唄連続殺人の構図や伏線回収などちゃんとしていて普通に読めるミステリにはなっている。ギャグがどうにも合わずコミカルさが鼻についてしまった。2019/06/21

烟々羅

15
なんとなく本棚から再読。 原典であるところの横溝「金田一シリーズ」を読んだことがないとまったく面白くないであろうコミカルミステリです。 それ以上の説明は要らない2014/04/30

Tetchy

12
実は本家の横溝作品は未読なので断片的にしかパロディの部分がわからなかったが、それを知らなくても純粋に昭和の香り漂うミステリとして読めた。特にあのトリックが解ったのが嬉しかったなぁ♪2009/03/30

みっつ

11
横溝作品(主に「金田一耕助」シリーズ)のパロディ溢れる一品。舞台となる八鹿村に始まり、本陣川や獄門寺といった地名が続々と登場。村内でいがみ合う旧家や怪しげな老婆、しかも子守唄による見立て殺人で被害者続出…と、どこまでも横溝テイストながら必ずしも見立て殺人になっていなかったりとオリジナルティも多数。本歌取りを標榜するだけある仕掛けの数々には唸らされた。まだ未完みたいだけど他の「探偵の四季」シリーズも読んでみたい。2010/06/28

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