創元推理文庫<br> サムソンの犯罪

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創元推理文庫
サムソンの犯罪

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  • サイズ 文庫判/ページ数 391p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488403096
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

肥満漢の弁護士が持ち込む仕事は「わたし」の生命線だから、蹴るわけにはいかない。土つかずの戦績を見て私立探偵としての腕を買ってくれているのはわかるが、難事件揃いなのには全く閉口する。捏造テープと換気扇の問題「中国屏風」や麻雀狂に捧げるエレジー「走れ俊平」、無名作家のとんだ有名税「サムソンの犯罪」等々、二進も三進も行かなくなると「わたし」はバー“三番館”へ足を運ぶ。ここでグラスを磨いているバーテンに知恵を借りて解決しなかった例はないのだから―。本格ミステリの泰斗が物した安楽椅子探偵譚、三番館シリーズ第二集。

目次

中国屏風
割れた電球
菊香る
屍衣を着たドンホァン
走れ俊平
分身
サムソンの犯罪

著者等紹介

鮎川哲也[アユカワテツヤ]
1919年2月14日、東京生まれ。『黒い白鳥』『憎悪の化石』で第13回日本探偵作家クラブ賞受賞。第1回本格ミステリ大賞特別賞、第6回ミステリー文学大賞特別賞受賞。2002年9月24日逝去
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kircheis

302
★★★☆☆ 三番館シリーズ第2作目。 前作よりライトな謎解きになり、1作ごとの分量も減っている。しかし、クスッとなるユーモアは健在。バーテン氏の鬼才ぶりも変わらない。 どれもそこそこ面白いとは思うが、全体的に簡単にオチが読めるものと、少し意地悪で読者が推理するのは困難な作品に分かれているのは残念。その中では、裸で街を駆け抜けた後、友人の頭を殴って傷害を負わせた理由に説得力のある『走れ俊平』が1番好み。2023/09/27

セウテス

68
三番館シリーズ第2弾。今回も私立探偵の「わたし」が持ち込む事件を、三番館のバーテンが安楽椅子探偵宜しく、見事な謎解きを楽しめる。本作はバーテンと一緒に、謎解きそのものを思考するには、うってつけの教材である。わたしの酒が、ギムレットからバイオレットフィズに変わったのに、ハードボイルドを気取ったままなのは笑える。本作のテーマは「アリバイ崩し」と言った処だろう。「割れた電球」はアリバイトリックの基本、「菊香る」は設定等も考えて、完全な謎解きを目指したい良作だ。他の作品も独特の雰囲気が、たいへん心地好く癖になる。2017/01/09

coco夏ko10角

26
三番館シリーズ第2弾、7作収録。 『菊香る』が特によかった。はじまり方も面白いし、トリックもうまくできてる。 『走れ俊平』新宿を全裸で疾走って…。インパクト強い。 『分身』本人か?双子か?そっくりさんか?ドッペルゲンガーか?こういうの何気に好み。2018/09/14

KAZOO

22
これも、「三番館」シリーズの本で、第2弾にあたるようです。昔新書版で読んだけどすっかり忘れてしまっています。7編の中編が入っていてアリバイ崩しを楽しめました。謎解きはもっぱらバーテンで語り手はハードボイルド系になっています。鮎川さんにしては珍しい感じがします。2014/09/02

kochi

14
肥った弁護士から依頼を受ける「わたし」は、元刑事という経験を生かした実地調査は得意。そんな「わたし」が調査に行き詰まった時に訪れるのが、西銀座のバー『三番館』だ。バイオレットフィズを注文し、調査結果を達磨のようなバーテンに話せば、鮮やかな推理が披露されてギムレットが出された時に事件は解決している。次銀座に行くときには、バー『三番館』を探しに行こう!2011/12/31

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