創元推理文庫<br> 喜劇悲奇劇

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創元推理文庫
喜劇悲奇劇

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  • サイズ 文庫判/ページ数 408p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488402198
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

上から読んでも下から読んでも「きげきひきげき」―題名に始まり、章見出しや登場人物は回文ずくめ、言葉遊びが随所に鏤められた本書。加えて主人公はマジシャン、紛うかたなき本格ミステリとくれば、斯界の魔術師泡坂妻夫のまさに真骨頂です。動く娯楽場“ウコン号”で起こる事件を、知的遊戯に長けた粋人は如何に描いたでしょう。余人をもっては代え難い話芸をご覧じませ。

著者等紹介

泡坂妻夫[アワサカツマオ]
1933年5月9日東京生まれ。76年「DL2号機事件」が第1回幻影城新人賞佳作入選。78年「乱れからくり」で第31回日本推理作家協会賞、90年「蔭桔梗」で第103回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

雪紫

60
再読。台風とうとう吹いた。から始まるショウボートで回文名芸人連続殺人の幕が上がる。展開覚えてても趣向に殉じた展開や奇術達、キャラの動きや伏線が楽しい回文エンターテインメント。まあ七郎が酒に逃げる駄目人間な評価は初読から変わらないけど言動見てると結構気にかけられたり愛されてるのもわかる気がする。何気にグラントがカレー好きだったり虎のレバーに執着するシャロンは今でもツボ。「おお、虎のファグラ……」2022/08/05

たか

50
上から読んでも下から読んでも『きげきひきげき』〜タイトルに始まり、各章の見出しや登場人物など、ことごとく回文ずくめになっており、随所に言葉遊びが散りばめられている。 ここまで言葉遊びを徹底しているミステリも珍しい。 読み進めていくと、何もかもが怪しく見えてきて、新しい登場人物が出てくる度に、名前をひっくり返したり、並べ替えたり…。 最後には、回文がミステリの真相にも深く関わっていることを知って驚いた。全てが真逆のミステリ。 B評価2020/08/09

はと

21
上から読んでも下から読んでも同じ言葉を、回文、と言うらしい。回文をめぐる連続殺人事件。言葉遊び、多様な奇術、仕掛など、いかにも泡坂妻夫さんらしい作品。作品全体が凝ってます!泡坂ワールド満喫!2016/07/27

砂糖と塩

15
再読。腕は三流、酒に弱くて、飲まないと恩人に誓った舌の根も乾かないうちから酔っぱらってリハーサルで失敗連発…とダメ人間なマジシャンが主人公の長編ミステリー。寝とられた元妻と仕事先で再会したり、陰鬱な展開になってもおかしくないんですが、どこかとぼけた会話と遊び心に溢れた物語のおかげで、軽快に読み進められます。タイトルも章ごとの副題も回文。被害者の名前も回文。登場人物達のやり取りでも回文連発。全ての事件に必ず一つはトリックが使われてて、ミステリーとしてもサービス満点です。あ、主役の助手の森真も可愛かったっす。2014/11/03

新天地

11
題名も各章のタイトルも登場人物達も回文尽くしで圧倒されっぱなし。前に読んだ『乱れからくり』も凝っていたけどそれ以上に凝りに凝っていたのが本作。中でも「地獄を見た」という話の内容がまさに想像を絶する地獄だったのに圧倒された。犯人の動機もなるほどとなるし、トリックもお見事。しかし主人公の七郎がいまいち好きになれず、あまり物語に入り込めなかったのが残念。それでも単なる粋を凝らした知的遊戯でないのはさすが。2017/09/07

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