内容説明
実業界の大物、相川操一の娘、珠子は東京で一二を競う美貌の持ち主、そしてその兄、守は探偵好きの大学生だった。だが、その平和な家庭にある日突然、災いが降りかかってくる。大女優、春川月子を惨殺した「赤いサソリ」が、魔の手を珠子に伸ばしてきたのだ。神出鬼没の殺人鬼に対する名探偵三笠竜介は、しかし再三、敵に苦汁を呑まされる。果たして、最後に笑う者はどちらか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coco夏ko10角
23
読んでる最中何度か『鉄塔の怪人』を思い出したけど、それでいいのね。三笠探偵はなんだか頼りない…。最後の方で探偵が猫を…。他でも明智が動物を殺したのあったけど、動物の扱いがこういう感じなのは時代かな。2018/01/20
ホームズ
14
動機があまりに酷過ぎる・・・(笑)そんな動機で小説を書こうとした乱歩ってある意味凄い(笑)まあ解説を読むとこの時期はスランプだったらしいですけど(笑)犯人は結構簡単に分かると思います(笑)それでも事件の展開が良かったので楽しめました(笑)しかし三笠探偵も結構酷いですね~(笑)猫が(笑)2010/12/20
かわちゃん
13
2018年の未登録本。 こちらもホラーナイトで紹介しようとしてた未消化本。元祖ホラーとしてあげようと思いましたが、今読むとオーソドックスな探偵ものですよね。この創元版の挿絵がステキなんですよねえ。レトロであり、モダンであると。2018/12/31
ぴかりん
11
Kindle Paperwhiteにて。老探偵三笠竜介と探偵好きの大学生が活躍するミステリ。エログロは控えめでミステリ色が強めな作品かなと読み進めていくと後半は怪人サソリ男(笑)が登場してきて、イッキにエンタメ小説になります。ま、あまり難しいことは考えず乱歩の世界を堪能するのが一番じゃないかな?私はとっても楽しめました!2014/12/27
よしゆき
6
今作品は明智小五郎ではなく、三笠竜介という老探偵が登場する。キャラクター的には好きだが、人の救い方がやはり気にくわないのは自分が猫好きだからか。探偵七つ道具とかが出てくるところが後の少年探偵団に繋がるところもあったりする(実際同じプロット使って少年探偵団で改作され発表されている)が、共犯者の扱い方や、真犯人の動機なども今の道徳的観念で考えてしまうと不快極まりない。乱歩作品はそこに面白さを見い出すのが良い楽しみ方なのだが、前述の猫扱いなどもあって、痼りの残る読了となった。2013/12/11