内容説明
『理由あって冬に出る』の似鳥鶏、『午前零時のサンドリヨン』で第19回鮎川哲也賞を受賞した相沢沙呼、『叫びと祈り』が絶賛された第5回ミステリーズ!新人賞受賞の梓崎優、同賞佳作入選の「聴き屋」シリーズの市井豊、そして2011年の本格的デビューを前に本書で初めて作品を発表する鵜林伸也。ミステリ界の新たな潮流を予感させる新世代の気鋭五人が描く、学園探偵たちの活躍譚。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
230
読書メーターのために再読。初読時に印象に残った、梓崎優「スプリング・ハズ・カム」はやはり意外性で圧倒させられる。論理ミステリとしては、似鳥鶏「お届け先には不思議を添えて」がいい。読んでからかなりの時間が経っているが、どれも「そうそう、こんな話だった」と覚えているので、やはり、いい作品ぞろいだったのだなと再確認。学園ミステリはやっぱりおもしろい。2014/04/24
kishikan
162
鮎川哲也賞やミステリーズ新人賞に応募するなど、東京創元社からデビューした若手作家5人による短編それも学園ミステリ。本のタイトルが「放課後探偵団」っていうのも憎い。相沢沙呼さんや梓崎優さんは知ってたけど、他の3人については初読み。でもそれぞれ短編ながら、学園ものとしての魅力そしてトリックもなかなかで、他の作品も読みたくなりますね。特に、相沢さんの「恋のおまじないの・・・」、梓崎さんの「スプリングハズカム」は、とても優れ、心地よい余韻を残してくれたし、市井豊さんも力のある作家と見た。他の作品も手にしてみよう!2013/06/01
ちはや@灯れ松明の火
141
今だけ見える景色がある。ほんの数年間、夢を主食に、部活でのだべりや淡い恋をおやつにしていた青臭い春の頃。文化祭、バレンタイン、卒業式、全力勝負のイベントは移り変わる季節の目印、紛れ込んだ謎は学生探偵出番の合図。隠蔽された学祭映像、白球紛失居残り捜索、チョコレート大集合事件、ワインが惑わす片想い、巣立つ友への応援歌、その底にはまっすぐで甘酸っぱい気持ち。今しか持てない時間があった。春は過ぎていく。振り向いて、どんなに眩しくてももう戻れない。でも、時々懐かしく思い出して。記憶の奥で移ろうことのない春景色を。 2012/02/07
くろり - しろくろりちよ
138
※ネタバレ注意※似鳥鶏、鵜林伸也、相沢沙呼、市井豊、梓崎優、新鋭五人の学園ミステリ。どの作品も新鋭作家が書いた学生が主人公ということで、とても初々しくて可愛らしいものばかり。トリックはお届け物の箱をすり替えちゃう似鳥鶏が一番、気持ちは記念ボールを握りしめたマネージャーで鵜林伸也、相沢沙呼は文句なしの可愛くて素敵ミステリ、聴き屋設定をあと一歩動かしてほしい市井豊、同窓会でタイムカプセルにドキドキした叙述トリックで魅せる梓崎優。新しい作家さんとの出会いの機会にもなるし、作品リストもついていて、とても便利。2012/06/17
七色一味
134
読破。基本、この手のアンソロジーは借りないんですが、相沢沙呼さん目当てで借りたと言っても過言ではない──と言うか、それがすべてだったりして。え~、図書館で『ロートケプシェン、こっちにおいで』を借りている方、後が閊えております、お早めにご返却をお願いいたします。──が、その他の方々も、これがまた素晴らしい短編ミステリでして…。いずれも耳にしたことのない作家さんで、新たな作家さん発掘にはいい本を選んだな、と思ってます。2011/12/11