出版社内容情報
〈日本ハードボイルド全集〉第五巻の本書では、直木賞作家・結城昌治を特集する。突然息子が殺人犯として逮捕された平凡な会社員の孤軍奮闘を描く傑作長編「幻の殺意」と九つの短編――私立探偵・真木、佐久&久里や紺野弁護士などのシリーズキャラクターものの代表作やノンシリーズの秀作に至るまで――を収録。結城の作家活動において終生、大きな柱であったハードボイルド小説での多彩な成果を一望のもとにする。
内容説明
第五巻では直木賞作家・結城昌治を特集。殺人犯として逮捕された高校生の息子の無実を信じる平凡な会社員の探偵行を描く、忘れがたき傑作長編『幻の殺意』をはじめ、私立探偵・真木もの全短編、佐久&久里や紺野弁護士などのシリーズ短編からノンシリーズの秀作に至るまでを収録して、結城のハードボイルド小説での多彩な成果を一望する。
著者等紹介
結城昌治[ユウキショウジ]
1927年東京生まれ。59年に短編「寒中水泳」で“エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン”日本版の第1回短篇コンテストに入選しデビュー。同年、初の長編『ひげのある男たち』を発表、翌年より専業作家となる。64年に『夜の終る時』で第17回日本推理作家協会賞、70年には『軍旗はためく下に』で第63回直木賞、85年に『終着駅』で第19回吉川英治文学賞を受賞した。96年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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くさてる
19
昭和という時代のせいなのかかもしれないのだけど、あまりにもお話の都合上で都合よく死んでいく女性たちの多さにちょっとヒいてしまった。確かに彼女たちが死ねばお話は終わるのである。そういう彼女たちはたいていの場合、弱く、ずるく、己の過ちに苦しむのだけど、そういうのに頼らずにお話を書くことはできませんかね、という気分になってしまう読書体験でした。2022/08/31
あいあい
3
この全集も六冊目、いつもながらハードボイルドの先達の文章に、透徹した眼に唸らされる。たとえばこんな文章。「ほとんどが若い連中だが、それぞれ個性的な服装のようでいながらどことなく似通っていた、どんな奇抜な衣装でも、それが流行になれば画一的になってしまう。流行が個性を消してくれるから、だから若者たちは安心して新宿に集まるのかもしれなかった。/個性は孤独で不安なのだ。」2022/12/28
Kom
2
以前読んだ『ゴメスの名はゴメス』はあまり好みではなかったが、これは面白かった。ハードボイルドに抵抗がなくなったからかもしれないが。『幻の殺意』がベスト。2022/08/12
まっつー(たまさか)
1
静かな、透徹した「眼」。素晴らしい。2023/05/04
悸村成一
0
読了13冊め。図書館本。8頁×8=64頁。 (共著) [結城昌治作品集 月報] 朝日新聞社(図書館製本), 1973-74年2023/01/25