内容説明
戦前派三作家による名作を収める。本格短編の名品「赤いペンキを買った女」の葛山二郎を筆頭に、「とむらい機関車」「三狂人」等大阪圭吉の代表作4編、そして現在興隆をきわめるトラベル・ミステリの原型ともいうべき蒼井雄の雄編『船富家の惨劇』、連載時に発禁処分を受けた中編『霧しぶく山』の計7編に、中島河太郎「日本探偵小説史」を併載した。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いっくん
29
『赤いペンキを買った女』どんでん返しの一品。『とむらい機関車』何故、豚の轢死体が…。悲しくも、切ないお話。『三狂人』トントン、歌姫、怪我人の正しく、三狂人!ミステリのお手本の様な作品。『寒の夜晴れ』これも、悲しいお話。雪のトリック。『三の字旅行会』面白い謎やなと思っていたら、へぇー!『船富家の惨劇』中々の力作だとは思いましたが、読みにくかった。アリバイもの、日本のクロフツに納得。葛山二郎、大阪圭吉、蒼井雄の作品集。中でも大阪圭吉さんの作品が読みやすく、面白かったです(^_^*)2017/04/13
timeturner
6
目当ての『船富家の惨劇』は『緑衣の鬼』ほど明白なレドメイン翻案ではなく途中まではどうなるのだろうと思ったが、なるほどこうか。風景描写に鬼気迫るものがあり、胸のすくエンディングだった。他の収録作も面白くてお買い得な800頁。2017/02/21
おふねやぎっちらこ
2
古い探偵小説もなかなかいいね。どれも面白かったですよ。おまけの中島河太郎「日本探偵小説史」は読まんでもいいだろう。2021/03/23
Gen Kato
2
再読。収められた作品はすべて「名作集」の名に恥じぬもの。マイベストは『赤いペンキを買った女』『とむらい機関車』『寒の夜晴れ』。中島河太郎『日本探偵小説史』も読みでがあります。鮎川哲也氏の解説もよし。が、葛山二郎の代表作はやはり『霧の夜道』(未収録)よりは『赤いペンキ~』だと思うなあ…2014/01/23
あずき
2
葛山二郎「赤いペンキを買った女」、大阪圭吉「とむらい機関車」「三狂人」「寒の夜晴れ」「三の字旅行会」、蒼井雄「船富家の惨劇」「霧しぶく山」、解説:鮎川哲也、日本探偵小説史:中島河太郎 を収録。個人的には大阪圭吉が抜群に面白かった。これにて、日本探偵小説全集全12巻読了。とっても楽しかった。今後は海外のミステリをちょっとずつ読んでいこうと思う。2013/10/01
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