出版社内容情報
巨大アンソロジー第5巻、小説はイーリイやトゥーイ等の短編巧者、グリーンやフレムリンなど英国の大物に加え、謎解きミステリの分野で独自の輝きを放った作家――ケメルマン、ヤッフェ、ポーター、ギャレットの傑作など多彩な全12編を収録。評論は一九六〇年代に第一線で活躍した作家の代表短編を論じつつ、007の大ヒットから発生したスパイ小説ブームを分析し、SFが隣接ジャンルとしてミステリに及ぼした影響をも考察する。
内容説明
第5巻にはイーリイやトゥーイといった短編巧者、グリーンやフレムリンなど英国の大物に加え、謎解きミステリの分野で独自の輝きを放った作家たち―ケメルマン、ヤッフェ、ポーター、ギャレット―の多彩な傑作、全12編を収録。評論では、1960年代に第一線で活躍した作家の個性を見極め、同時代の英国の状況や、スパイ小説ブーム、SFの影響など多岐にわたる話題を取り上げる。
著者等紹介
小森収[コモリオサム]
1958年福岡県生まれ。大阪大学人間科学部卒業。編集者、評論家、作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
97
この間の短編はヶメルマンの「9マイルは遠すぎる」くらいしか読んだことがなくあまりなじみのない作家が多かったように感じました。その中ではフレムリンという作家の「いつまでも美しく」が印象に残りました。小森さんの「短編ミステリの二百年」が約3分の1を占めていて前々から思っているのですが別の本で1冊で出してほしいと思いました。2021/10/30
cinos
66
「ある囚人の回想」初読でしたが、これはいいパスティーシュ。「隣人たち」の悪意。「さよなら、フランシー」のトリック。「破壊者たち」の徹底した崩壊。「いつまでも美しく」の毒。「不可視配給株式会社」のオチ。「九マイル」は何度読んでも最高。「ドーヴァー」の迷推理。「青い死体」のホワイダニット。どれも傑作ぞろいで、贅沢な短編集です。3分の1ページを占める口語体の解説も楽しく、一編読んで、それに関係する解説を読むといいです。2021/07/27
ネコベス
30
小森収氏による200ページ以上の評論と12篇を収めた短編集。比較的有名で既読の作品が多かったのが個人的には残念。新しく引っ越してきた住人と地元住民との確執を描いたデイヴィッド・イーリイ「隣人たち」、夫の愛を取り戻すために怪しげな医者を訪問した妻が知るブラックユーモアに満ちた真相を描くシーリア・フレムリン「いつまでも美しく」が良かった。2021/08/07
本木英朗
22
5巻では、イーリイやトゥーイなどの短編功者、グリーンやフレムリンなど英国の大物に加え、謎解きミステリの分野で輝きを放った作家――ケメルマン、ヤッフェ、ポーター、ギャレットの傑作を収録。今回も面白かったね。……それでは6巻でお会いしましょう。2022/02/07
くさてる
20
短編ミステリと長文の評論を収録するアンソロジーシリーズももう5巻。相変わらず、セレクトされた作品には外れなく面白く、評論もわりと言いたい放題の雰囲気がありつつ、楽しい。作品の方は、イーリイ「隣人たち」とフレムリン「いつまでも美しく」オールディス「不可視配給株式会社」がそれぞれ、まさに奇妙な味というか怖い話というか、読み終わったあとしばらく頭を抱えるような傑作でした。これらが読めただけでも良かった。面白かったです。2021/08/04