創元推理文庫<br> 見知らぬ顔

創元推理文庫
見知らぬ顔

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  • サイズ 文庫判/ページ数 523p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488295011
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

夢も見ない眠りから覚めたとき、彼は病院の寝台に横たわり、すべての記憶を喪っていた。自分がウィリアム・モンクという名の刑事だと知らされた彼は、病状を隠して職場に復帰したが、そこで割りふられたのは、万全の態勢で臨んでさえ解決困難と思わせる難解な殺人事件だった…。十九世紀ロンドンに孤立無援の警部が展開する、自分探しと真相究明の旅。時代ミステリの決定版。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ごへいもち

16
面白かったが、あとがきが一番衝撃的。この作家のものはもう読めないかも2015/01/31

本の蟲

13
古めのミステリだが、舞台設定はさらに古いクリミア戦争後のヴィクトリア朝英国。病院で目覚めた記憶喪失の男。見舞に来た上司から自分な名モンクと警官であることを知るが、このままだと職を失い、行き着く先は救貧院。回復したと偽り、事件捜査に戻るが…。辻馬車や救貧院、貧民窟といった単語の数々。上流紳士が殺人などするはずがない。女性とは弱く淑やかなものという社会常識。警官が貴族から卑職と蔑まれる、今より一層苛烈な階級社会。自分がどういう人間だったか思い悩み、知人に会うたびに怪しまれていないか狼狽するモンクの様子が面白い2024/06/22

nirokuya

8
辻馬車事故に巻き込まれた警部モンクはその事故のせいで重症を負っただけでなく、それまでの記憶まで喪ってしまった。まさに手探り状態での職場復帰。押し付けられた感じがなくもない厄介な殺人事件捜査。事件の裏が少しずつわかってくると共に自信も付いてきて、記憶は完全に戻らないまでもモンクの不安が薄れていくのがわかる。型破りヒロイン(?)へスター登場辺りから、さらに面白くなってきてぐいぐい引き込まれる。2013/02/26

葦附

6
記憶を失って目覚めた主人公。周囲の人々の反応からおぼろげに分かってきたかつての自分は、見栄っ張りで冷淡で攻撃的。職業は刑事で、上司から殺人事件の捜査を命じられる。記憶を失くしたことを隠し、かつての自分自身に困惑しながらも捜査を進めるが、こちらも思うようには進まず……。■ミステリですが、論理がかっちりという感じではなく、たぶんハードボイルドのジャンルかなと思いました。読み心地もそんな感じ。好きになれない自分、十九世紀のロンドン(の上流階級の醜さと社会構造の歪さ)、好感の持てる相棒、最低な事件。2018/01/09

みろ

4
ヴィクトリア朝のロンドンを舞台にした刑事話。貧民街の絶望的な状態と対照的な貴族・ブルジョアの体面を保つことを第一とした虚飾に溢れた生活の落差がすごい。貧しい産まれと思われるモンクと、上流の産まれながら自活を目指すへスターの今後が楽しみ。2014/12/18

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