内容説明
毎朝、今日こそ逮捕されるという思いで目が覚める。選挙戦がいかに苛酷であろうとも、絶えず心をよぎる。彼女は本当に愛してくれていただろうか。殺人の真相を掴みたい上院議員は、やがて自分とその周囲の人間を見つめ直すことこそ避けて通れない道であると気づく。見えていなかった過去、目を背けていた現実。単なる政治家の枠を超えて理想を追い求める男を巧みに描いた物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けいちゃっぷ
5
最後までダレずに読ませます。 みんなの目障りで邪魔者扱いの被害者がいささか気の毒ですが、作者はこの女性にも細やかな目配りを忘れない。 こんな力強い物語を紡ぐことができるバウカーなのに、訳されているのは『約束の土地』と『上院議員』だけのようだ。 どちらも決して読者を失望させない出来栄えなのに。 今ならそこそこ評判になっていると思うが、翻訳されたタイミングが悪かったのかな。 残念だ。 334ページ 2012/03/12
teetee1968jp
1
図書館の廃棄本だったのをもらって読みました。 文体に慣れてからは、面白くぐんぐんと読み続け、出生、親、兄弟、恋人、妻、子、同僚、敵、普遍的な人間関係に共感を覚えながら上下巻読み終えました。 リチャード・バウカー。知らない作家でしたが、別の作品も読んでみたいです。2023/06/05