内容説明
遺された田舎の屋敷に十年間住み続けること。それが大伯父の莫大な遺産を相続する条件だった。この風変わりな条件に従い、ニューヨークの安アパートから引っ越してきた兄妹が聞かされたのは、大伯父は殺されたらしいということ。つまり、自分たちが一番の容疑者だということだった!はたして濡れ衣を晴らすことはできるのか?グレイス&フェイヴァー・シリーズ、ここに開幕。
著者等紹介
戸田早紀[トダサキ]
1967年生まれ。津田塾大学学芸学部英文学科卒業。英米文学翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
23
ジル・チャーチルならばあっちのシリーズを読むのが普通かな、と思ったけれど、気がついたら買ってました。別なシリーズの第1巻。アメリカ大恐慌で没落して孤児となった「貴族(超上流階級)」の兄と妹が、ひょんなことで莫大な遺産を手にでき──そうになるというのが出だし。で、遺産をくれるはずの大伯父と、彼を殺した容疑者らしい怪しげな男が殺され、その謎を解くというコージー的なミステリ。真犯人は状況からして途中でおおよそわかってしまうのが難点ですが、歴史的背景の描写を含め面白い。軽く読めて楽しいミステリでした。2025/08/06
ごへいもち
14
「ゴミと罰」のシリーズより好き。時代がいいのかも2011/12/07
蕭白
6
久しぶりに再読。予想外の結末に、初読のように楽しめました。2018/10/04
kagetrasama-aoi(葵・橘)
4
再読。グレイス&フェイヴァー・シリーズの第一作目。舞台は大恐慌後(1931年)のアメリカ、ニューヨークから少し離れた田舎町ヴォールブルグ。主人公は大富豪から零落した兄妹のロバート&リリー・ブルースター。コージーに相応しい舞台に登場人物、勿論殺人は起こるけど、語り口が明るいのもいいです。主人公達が住むお屋敷に同居する弁護士夫妻がいい味!妻のエマリン・プリニーが料理上手なのはコージーのお約束(*^ ^*)。この地域はオランダ人が入植したとのこと、エマリンの作るオランダ料理が美味しそうで作ってみたくなります。2017/12/27
qoop
3
意識してコージー・ミステリーを読むのは初めて。零落した元富豪の兄妹が遠縁の財産を相続したものの、それには条件があって…とひねりの効いた設定もさることながら、やはりこうした作品は登場人物の魅力に負うところが大きいのだと良く分かる。突飛でなく地に足の着いた、しかしどこか風変わりだったり親しみ易くあったりする。兄と、同居人である弁護士が特に良い。2015/02/17