内容説明
水曜日の子供は悲しみがいっぱい。…ソーシャルワーカーを名乗る二人の男女が、一人の母親のもとを訪れた。虐待されているという通報があったので、娘を一晩預からせてほしいのだという。だが、翌朝、男女は娘もろとも消えた。彼らは何者なのか。目的は。最悪の事態を覚悟しながら着実な捜査を積み重ねていくしかないバンクス首席警部。少女は生きているのか？死んでいるのか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
燃えつきた棒
34
ドラマ「主任警部アラン・バンクス」の原作。 解説の杉山由美子が、バンクスの素描を描いている。 《ビートルズも好きならオペラも聴き、手あたりしだいに小説も実用書も読む。知識欲旺盛。それでいて、けっこう保守的で、愛妻家で、『水曜日の子供』では娘の夜の外出やボーイフレンドにやきもきする古風さをもつバンクス（以下略）》 優秀な刑事だということは認めるが、それでも僕は気に入らない。 モースの独断も、ヴァランダーの逸脱も、フロストのはみ出しも、バンクスにはない。 まるで｢満点パパ」だ。2021/09/24
bapaksejahtera
8
CS放送で見た警部アラン・バンクスを、書籍では初めて読む。比較的長い小説であるが飽きること無く読み通すことができた。主人公や同僚など登場人物は無論のこと、余り同情心の怒らぬ被害者やその居廻の登場人物の性格、また土地風俗が丁寧に描かれる所もその原因だろう。小さな町の自堕落で生きる力の弱い母親の、日頃持て余している幼い娘が、虐待を疑うというケースワーカーに扮した男女に連れ去られる事件が発端。ストーリーには２種類の異常性格者が登場しいくつかの殺人が行われるが肝心の娘の行方は判らぬまま事件は緊迫の幕切れを迎える。2021/08/05
はみ餅
1
「あんたばかだよと言ってやりたいとこなのだ」普通なら言ってる。ほんとご苦労様です。1万ピースのミルクパズルにトライしてる感じ。いろんなかたまりが少しづつ繋がっていくのは見事。巻き込まれたチンピラたちが右往左往してるのがちょっと笑える。2025/01/02
えっこ
1
アラン・バンクスシリーズ。日本での刊行では５番目。著作順では６番目。警察署内の人間関係も固まり、アランの家族は子どもの成長に伴い変化の兆し。幼児性愛の被害者が無事だったことが、物語といえどもホッとした。仕事中でも、アルコールを飲むし、車も運転。文化の違いを感じるね。2020/05/10
たまき
1
女の子の誘拐事件と殺人事件。小さな町でおきた2つの事件が絡まってくる。とことん悲惨ではないが、果たしてジェマは立ち直れるか。心を入れ替えた母親と何とかなるのだろうか。そしてバンクスの家庭で少しづつ歯車がずれてきた。そして警視は引退するのか。若干動きが鈍くて、展開が遅いのに、知らないうちに終盤に来る。いつもそんな作品。荒涼としたスウェインズデイルならではの雰囲気が今回は少なかった。はたして次作は？2012/07/17
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