出版社内容情報
1929年、春のベルリン。風紀課にくすぶるラート警部が挑む奇怪な殺人事件、壮大な陰謀、二重三重の罠。いま最注目のドイツ・ミステリが遂に生んだ大河警察小説シリーズ第1弾。
内容説明
1929年、春のベルリン。ゲレオン・ラート警部が、わけあって故郷ケルンと殺人捜査官の職を離れ、ベルリン警視庁風紀課に身を置くようになってから、一ヶ月が経とうとしていた。殺人課への異動を目指すラートは、深夜に自分の部屋の元住人を訪ねてきたロシア人の怪死事件の捜査をひそかに開始するが…。今最も注目されるドイツ・ミステリが生んだ、壮大なる大河警察小説開幕。
著者等紹介
酒寄進一[サカヨリシンイチ]
ドイツ文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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セウテス
81
ラート警部シリーズ第1弾。1920年代のドイツ、ヒトラーが台頭してくる頃の時代を舞台に描かれた物語。歴史上実在の人物を上手く物語に取り入れた刑事もので、北欧ミステリの雰囲気を感じる。ケルンでトラブルに巻き込まれ、ベルリンの風紀課に移って来た主人公ラート警部が、殺人課へ返り咲く為に独自の捜査を行う物語。ラート警部はある日、死体置き場にあった男に見覚えがある事に気づく。自分のアパートの、前の住人を訪ねて来た男であった。後半かなりの伏線が置かれて始め、考えもしない巨大な陰謀へ繋がる様は、大きな期待を感じさせる。2018/11/29
白玉あずき
17
時代背景は興味津々なのだが、いかんせん面白くならない。金塊云々という話が出て来た所でようやく流れ始めた。この主人公、正義感あふれる田舎者というパターンでもないし、屈折した切れ者という設定でもないのに変に野心だけはあったりして、およそ好きになれそうにないのよ。あんな事やそんな事をしでかしたりして、それでいいのか、君は刑事だろ?気を取り直して、とりあえず下巻には行きます。2016/01/31
みなみ
12
以前ネットで紹介されていたのでずっと気になっていた本。Huluにドラマ版の「バビロン・ベルリン」があったので、まずは原作を読んでみることに。主人公はとある事件で移動してきた刑事ラートで、舞台はワイマール時代のベルリン。主人公の性格がちょっとアレなので、この時代背景だから成り立っているキャラという気がする。上下巻の翻訳物なので構えて読み始めたが、ストーリーはすいすい読めた。全体の感想は下巻でまとめて。2022/06/16
書斎六尺
11
1918年に第一次世界大戦が終わりドイツは敗戦国になったが、その影響がまだ残る1929年のベルリンが舞台だ。故郷ケルンからある理由からベルリンの警視庁風紀課(E課)に配属されたラート警部は殺人課(A課)への異動を希望している。そこで殺人が起き一人捜査を開始する。そこにはロシア人が見え隠れし、どうやら大きな背景・裏がありそうで、下巻に期待が持てる。この時代背景の知識があればより楽しめるだろうが、そこは物語の面白さに読書の推進力を求め読み進めよう。タイトルの「濡れた魚」は当時の「迷宮入り」を意味する隠語だ。2013/05/08
くり坊
9
1929年ドイツ、ベルリンの警視庁警部が主人公。もちろん、携帯電話はでてこない(^^;; 主人公ゲレオン・ラートのゲレオンって初めて聞く(見る)名前だなぁと思っていたら、作中「変わった名前ね」というやり取りが出てきて、ちょっとほっとする。2015/05/18
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