出版社内容情報
老獪な詐欺師、本心を明かさない伯爵家の人々、さらには被害者が若い頃に悲惨な交通事故の車に乗り合わせていたことが判明。モーリーンは真実に辿り着くことができるのか。
内容説明
詐欺師を追ってテネリフェ島に飛んだモーリン。だが、相手は古狸、思うような成果は得られない。一方伯爵家の三人は、領地の売却は納得の上だと言い張るが、どうやら本心ではなさそうだ。それに加えて、被害者が若い頃、伯爵家のパーティーの帰りに、悲惨な交通事故に遭っていたことが判明。伯爵家と被害者の関係は?女性刑事モーリンは、真実にたどり着くことができるのか。
著者等紹介
カッレントフト,モンス[カッレントフト,モンス] [Kallentoft,Mons]
1968年スウェーデン、リンショーピンのユングスブロー生まれ。2000年Pesetasで作家デビューし、スウェーデン作家連盟の新人賞を受賞した。美食家/フードジャーナリストという肩書きももつ異色の作家
久山葉子[クヤマヨウコ]
1975年兵庫県生まれ。神戸女学院大学文学部英文科卒。スウェーデン在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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のぶ
47
上巻で浮上した疑惑の人に対する各地での捜査に入り、上巻の閉鎖された環境から、解放された世界に変わった。上巻で本格色の強い作品と書いたが、それは外れた。事件の真相が徐々に明らかになる中、捜査刑事、モーリンのアルコール依存症と家族に関する問題が並行して語られる。この物語、最初に起きた事件を中心にしたベクトルが明確なので、読んでいて分かりやすかった。結末は明かさないが、問題はやはり人間にあるという事だ。多くのスウェーデン産のミステリーに似て、これがその国の抱える問題の一つではないのかと思った。2016/03/20
ほちょこ
13
あとがきを読んで知ったが(3作も読んで!)、これは北ヨーロッパ近辺お得意の四季シリーズなんだとか。四季といえば、アン・クリーヴスのシャトランド島シリーズ、ヴィヴェカ・ステンの「〜のなかで」シリーズなどなど堕ちた主人公モーリンが最終章でどう復帰するのか、楽しみ。・・・と思いきや、さらに水・風・火・土シリーズへと続くらしい・・・。2016/01/07
barabara
12
リズムが合わない。読み終えたときは息も絶え絶えで、真相はもはやどうでもよかった。癖がある文体と構成で日本人にはとっつきにくいかな…。2016/02/02
Masa
10
読了。上巻は、「あれ、こんなんだったけ?」と思いながら読みましたが、後半に向かうにつれてやはり惹き込まれました。「冬」「夏」と比べてモーリンの印象がだいぶ違いますね。これで、「春」が翻訳されないのは正直辛い。スウェーデンの貴族については非常に興味深いです。次友人と会ったらいろいろ訊いてみよう思います。ああ久山さん、大学とかでいろいろお忙しいのでしょうけれど、どうか翻訳してくださいな。2018/07/13
沙織
2
完読。暴力は連鎖してしまいます。 犯人に同情するけど、やっぱり身勝手。 モーリンがまた家族と暮らせるといいですね。 次作も楽しみです。2018/05/13
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- 長い家の殺人 講談社文庫