内容説明
クレアは怯えていた。合衆国大統領として任期終盤を迎えた夫ニコラス。だが、ここへきて支持率が急落、党内には深刻な亀裂が生じていた。「いまにも悲劇が起こりそうな、そんな感じがするんです」という秘書の言葉にも、高まる不安を抑えることができない…。やがて合衆国大統領の身辺を襲った連続殺人。強烈なサスペンスのうちに驚天動地の真相を仕掛ける、掟破りの傑作長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
90
〔再読〕本作は現在では、珍しくはないトリックではあるのだが、1970年代に考えた事こそがミステリの歴史なのだという作品。急速に支持率を失いつつあるアメリカ大統領、その側近の中に裏切り者が存在するのか。1人また1人と、われわれと称する大統領支持派により、側近が殺害されていくサスペンス。大統領を主人公としたミステリ自体、数少ないのではないだろうか。しかも真相を推理するための伏線は、幾つも張られているとなれば尚更だと思う。ただ大統領では自分に置き換えが出来なくて、その緊張感を共有するには至らなくて勿体なかった。2019/12/12
koo
9
初読時は2度と再読しないつもりでしたが無事内容を忘れて再読。失言が続き低支持率に喘ぐアメリカ大統領ニコラスが主人公、彼の周囲で暗躍する暗殺集団により次々に側近が暗殺されるというサスペンスですがとにかく破格の内容、70年代の海外作品で同趣向の作品は思いつかないですね(笑)1人称複数形「われわれ」を見た瞬間に哄笑がこぼれ落ちました(笑)未読の方には前情報なしで1度は体験をお勧めする作品ですね。1人称複数形小説はあとはADGの「病める巨犬たちの夜」くらいしか記憶にないですね、こちらもヘンテコ(笑) 2025/02/01
Mzo
7
森博嗣のルーツミステリィ100でコメントが気になった1冊。なるほどね、如何にも森さんはこういうの好きそう。読みながら犯人を想像していたのですが、斜め上を行かれた感じ。2013/08/07
ソラ
6
【再読】2019/01/19
ソラ
6
【読メ登録以前読了作品】 内容(「BOOK」データベースより) クレアは怯えていた。合衆国大統領として任期終盤を迎えた夫ニコラス。だが、ここへきて支持率が急落、党内には深刻な亀裂が生じていた。「いまにも悲劇が起こりそうな、そんな感じがするんです」という秘書の言葉にも、高まる不安を抑えることができない…。やがて合衆国大統領の身辺を襲った連続殺人。強烈なサスペンスのうちに驚天動地の真相を仕掛ける、掟破りの傑作長編。 2008/07/26