創元推理文庫
悪意の糸

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  • サイズ 文庫判/ページ数 295p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488247089
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

女医の元を訪れたのは混乱しきった若い女。彼女は妊娠4ヶ月で、子供は夫の子ではないという……悪夢のような事件が導く驚愕の真相。本邦初訳。

内容説明

不穏な空気をはらんだ夏の午後、医師シャーロットの診療所にやって来た若い女。ヴァイオレットと名乗るその娘は、夫ではない男の子どもを妊娠したという。彼女の“頼み”を一度は断ったシャーロットだが、混乱しきった様子が気に掛かり、その晩、ヴァイオレットの住まいへと足を向け…卓越した心理描写を武器に、他に類を見ないミステリを書き続けた鬼才による傑作、本邦初訳。

著者等紹介

ミラー,マーガレット[ミラー,マーガレット] [Millar,Margaret]
1915年、カナダのオンタリオ州生まれ。38年、高校の同級生であったケネス・ミラー(ロス・マクドナルド)と結婚。41年The Invisible Wormで作家デビュー。緊張感に満ちた心理描写と詩的な文体、最後の一行がもたらす戦慄など、他に類のないサスペンスを多く発表。『狙った獣』で56年にMWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞最優秀長編賞を受賞し、83年にはMWA賞グランドマスター賞を受賞する。94年歿

宮脇裕子[ミヤワキユウコ]
東京都出身。上智大学外国語学部英語学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yumiko

75
復刊が進むミラー、初期の一冊。不倫の恋に悩む医師シャーロットの元に、他の男の子供を妊娠したと訴える若い女性がやって来る。混乱した様子が気になり後を追うも、彼女は姿を消してしまっていた…。ミラーだからと構えて読むとストーリーを複雑にしてしまう。基本はシンプルなミステリー、でも読みどころは謎解きにあらず。やはり彼女は卓越した心理描写の女王なのだと思う。人と人とを繋いだ悪意の糸がキリキリと絞られ、ある時パチンと弾ける…緊張感の後の余韻が静かに胸に残る。ミラーのラストはいつも印象的。2017/04/23

HANA

49
女性の心理を軸にしたミステリはどうも話の中に入り込みにくい。本書もその例に漏れず、主要な登場人物中、唯一共感できたのが一人。残りの人間がエゴイズムを振りかざしているようにしか見えないのは、時代のせいか、自分が男性だからですかね。おおよその犯人は読み始めてすぐに推測できたのだが、ラストのもう一捻りは予想できなかったなあ。いよいよ余韻のあるラストかと思った時、あ、そっちか。と引っくり返されたのには、思わず感嘆の声を上げさせられた。とはいえやはり心理描写を中心とした鬱々とした内容、ちょっと苦手というのを再確認。2014/12/08

タカギ

33
思いがけない結末であった。さすがマーガレット・ミラー。自立した女医のシャーロットは、弁護士の既婚男性と付き合っている。これがまさかのプラトニック(!)その男性の妻が彼女の患者で、彼女の良心は痛んでいる。だったらやめればいいし、そんなにいい男だとも思えないのだけど。シャーロットのもとに、望まない妊娠をした女性が訪れた時から、不穏な出来事が起こり始める。読みやすくていい本でした。2019/11/12

星落秋風五丈原

30
自分も不倫中の女医が、一夜の過ちで妊娠し堕胎を頼んできた若い女性を拒んだが、その女性が失踪し遺体で見つかる。不倫相手の妻とあわせて3者3様の女性像が描かれる。1949年の作品なのにストーリーがそれほど古びてない。担当刑事がやたら序盤からヒロインにアプローチしまくり。最初は容疑者と疑ってカモフラージュしてるのかと思ったくらい。2015/05/10

リッツ

25
読み終わって「わ~、色んな物語の原点を見た!」と。始めは中々入り込めなかったが 次第に古いアメリカ映画をみているような、そして段々と肉厚になり、ラストこれこれこれ!と一気に盛り上がった、そして残る哀しい気持ち…面白かったです。2015/10/16

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