創元推理文庫
見知らぬ者の墓

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  • サイズ 文庫判/ページ数 496p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488247010
  • Cコード C0197

内容説明

墓碑は断崖の突端に立っていた。銘板には、なぜか自分の名前が刻まれている。没年月日は四年もまえ―。不思議な夢だった。そのあまりに生々しい感触に不安をおぼえたデイジーは、偶然知りあった私立探偵ピニャータの助けを借りて、この“失われた一日”を再現してみることにしたが…。アメリカ女流随一の鬼才が、繊細かつ精緻な心理描写を駆使して描きあげた傑作長編の登場。

著者等紹介

ミラー,マーガレット[ミラー,マーガレット] [Millar,Margaret]
1915年、カナダのオンタリオ州生まれ。38年、高校の同級生であったケネス・ミラー(ロス・マクドナルド)と結婚。41年The Invisible Wormで作家デビュー。緊張感に満ちた心理描写と詩的な文体、最後の一行がもたらす戦慄など、他に類のないサスペンスを多く発表。『狙った獣』で56年にMWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞最優秀長編賞を受賞し、83年にはMWA賞グランドマスター賞を受賞する。94年没

榊優子[サカキユウコ]
1960年早稲田大学第一文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ペグ

79
夢からここまで現実を知ろうとするヒロインは。ちょっと無理があると思ったのは読者であるわたしのわがままでしょうか?やはりミラーといえば「狙った獣」でした。2021/02/10

タカギ

31
2019年の東京創元社復刊フェアの1冊。発端は夢だった。墓には自分の名前が刻まれている。没年月日は4年前。主人公が自らの不安を母や夫に話しても、神経症扱いされてまともに取り合ってもらえない。墓地には夢で見た通りの墓があったが、刻まれた名前は見知らぬものだった。離婚して行方知れずだったアル中の父、その再婚した妻、6人の子持ちのウエイトレス、その信心深い母親、魅力的な私立探偵などが関わってくる。私としては、「〇〇のため」って言って行動する人って、結局は自分のためのくせに、そう信じ込んでいるのがより最悪だなと。2020/05/26

Ribes triste

19
デイジーの夢に現れた自分の墓。その墓碑には4年前の12月2日の日付があった。その日、自分に何が起こったのか。デイジーが自分の人生を見つめ直そうとした時、夫のジム、母親のアダ、父親のスタン、そして事件を依頼された探偵のピニャータを巻き込んで、運命の輪が回り始める。どうしようもないけれど、愛情深く憎めないスタン父さんが好きです。何ともほろ苦いエンディングです。2018/10/29

混沌工房

17
《再読》旧版で持っているのに復刊版買っちゃった…。ン十年ぶりの再読。冒頭とラストは覚えていたが、間をさーぱり忘れていたので新鮮に読めた。幸せな生活を送っている主婦デイジーが、ある日夢に見た自分の墓碑に刻まれた日付が気になって、偶然知り合った私立探偵に調査を依頼する。どうやらそれについて、実母や夫は彼女に隠し事をしているらしい…。現代の日本に住んでいるとピンとこないけれど、人種差別やらなんやらがあった半世紀以上前だと、切実な問題だったのかな。なぜか唐突に恋愛がはじまるミラーおなじみのパターンはやっぱり健在。2020/02/07

くさてる

17
自分の墓を夢で見た主婦がその謎を解こうとする展開で、謎解きというよりはひたすら不穏さが高まってくる雰囲気を堪能しました。ドンデン返しというか謎自体はなんとなく見当がつくようになっているのだけど、そう思わせておいての結末が。人間の偏見や悪意のおぞましさが浮かび上がる話でした。時代的にもう古い内容かもしれませんが、面白かったです。2019/11/09

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