出版社内容情報
手がかりはすでに集められている。
殺されると予言された、被害者本人によって。
ホロヴィッツと並ぶクリスティの後継者による犯人当てミステリ!
ミステリ作家の卵であるアニーは、大叔母の住む村に招かれた。大きな屋敷に住む資産家の大叔母は、16歳のときに占い師から告げられた、いつかおまえは殺されるという予言を信じ続けており、奇妙な老婦人として知られている。アニーが屋敷に到着すると、大叔母は図書室の床に倒れて死んでいた。両手には血がついていて、そばには白薔薇が落ちていた。予言が的中したときのために大叔母が約60年をかけて調査した記録を手がかりに、アニーは犯人探しに挑む。犯人当てミステリの大傑作!
内容説明
ミステリ作家志望のアニーは、キャッスルノール村に住む大叔母を訪れた。資産家の大叔母は、16歳のとき占い師に告げられた、いつかおまえは殺されるという予言を信じつづけている。だが大叔母は屋敷の図書室で死んでおり、そばに白薔薇が落ちていた。予言が的中したときのために大叔母が約60年をかけた調査記録を手がかりに、アニーは犯人探しに挑む。犯人当てミステリの大傑作!
著者等紹介
上條ひろみ[カミジョウヒロミ]
英米文学翻訳者。主な訳書にフルーク「お菓子探偵ハンナ」シリーズ、サンズ「新ハイランド」シリーズ、マキナニー「ママ探偵の事件簿」シリーズなど(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
382
まずまず楽しめた。国内の新本格を読みなれていると、海外ミステリは総じてフーダニットとしては作り込みが甘く、憶測で一足飛びに真相に辿りついてしまうことが多いが、そもそも欧米では、この手のミステリの源流はクリスティであることが大半で、そういうムーブメントなのだと割り切って読むのが正解。フーダニットという文言を前面に打ち出して売ろうとしたのは、日本の出版社であって作家の罪ではない。人物にも魅力はあって、終盤のスリルと意外性はなかなかのものだったのではないだろうか。この水準で作品を発表し続けてほしいものだ。2024/08/07
yukaring
85
「おまえの未来には乾いた骨がある」16歳の時にそう予言されたフランシス。彼女は60年後に殺され白薔薇と共に屋敷の中に倒れていた…。過去の失踪事件と彼女が殺された今が交互に描かれるサスペンスフルな本格ミステリ。自分が予言通り殺される未来を恐れ、60年の年月をかけて周囲の人物を密かに調査してきたフランシス。そして彼女の遺言で犯人捜しは彼女の血を継ぐ若きアニーに引き継がれる。過去の事件とフランシスの死には関連があるのか?ユーモアがありテンポよく進むストーリーが読みやすく犯人当てをシンプルに楽しめる物語だった。2024/12/07
stobe1904
74
【フーダニットミステリ】ミステリ作家になりたいアニーは疎遠だった大叔母に招かれて田舎町の屋敷に到着するが、肝心の大叔母が殺害されていた…。一風変わった遺言、怪しげな人物たち、数十年前に失踪した大叔母の友人の行方と大叔母の詳細な日記など、本格ミステリとしての建付けは十分に揃っていると思うが、登場人物が多く人間関係が複雑なため、ごちゃごちゃ感がぬぐえない。クリスティやホロヴィッツのようなすっきり収束した感じが持てない点が残念。★★★☆☆2024/11/10
cinos
52
殺人の予言が実現し、二人のうち事件を解決した者が相続できる奇妙な遺言状から始まります。過去の事件が描かれた祖母の日記と、現在の殺人が交差して謎が解かれていく本格ミステリです。2024/08/18
藤月はな(灯れ松明の火)
44
16歳の時に占い師から告げられた予言を信じて疑心暗鬼になっていた大叔母が密室で奇妙な死を迎えた。今の所、連敗中のミステリ作家の卵、アニーは遺産相続とこの謎を解く為に村での人間関係や過去を紐解いていくが・・・。大叔母フランシスの日記から明らかになった、女子同士のフレネミーや共依存の関係が赤裸々すぎてげんなり。現在パートでのアニーとジェニーのわちゃわちゃガールズトークを読んでいると猶更。同時にフランシスは情報収集能力はあるけど、分析力がない為にミス・マープルになれなかったんだなと思った。 2024/12/18