創元推理文庫<br> 眼下の敵

創元推理文庫
眼下の敵

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  • サイズ 文庫判/ページ数 216p
  • 商品コード 9784488230012
  • NDC分類 933

内容説明

連合軍の暗号情報を入手しようと大西洋を南下していたドイツ潜水艦U121と、その動きをレーダーにとらえた英国海軍駆逐艦ヘテカが、追いつ追われつの激闘を繰り広げる。魚雷攻撃と爆雷投下の応酬、虚々実々の駆け引き。大西洋を舞台に、潜水艦と駆逐艦との一対一の闘いを描く戦争小説の白眉として、映画化もされた名作。ここに待望の文庫化!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

くたくた

46
1943年南大西洋。大西洋の戦局は大きく変化している。ウルフパックは護衛艦隊に軽空母が加わり連合軍側に軍配が上がった。この話は単騎のUボートと英国駆逐艦ヘカテの一騎討ちである。映画『眼下の敵』が騎士道精神に溢れているので(勿論大好きだ)、原作のこの両艦長の捻くれ具合が些か可笑しい。フォン・シュトームブルグ艦長は貴族らしく高慢だし、マレルはどこか屈折してる。そんな二人が海の中と上で神経をすり減らして頭脳戦を繰り広げる。本文中に要所要所で戦闘中の航路のプロットが差し込まれているのでわかりやすく勉強にもなった。2020/06/08

たぬきオヤジ

19
映画でも有名だが、小説はずいぶんと筋が違うし結末も違う。派手さは無いがチェスのように相手を追い詰めようと画策する。それにしても最後の戦いは壮絶だ。国を憎んで人を憎まずと言わんばかりの映画と、反対の終わり方になっている。2020/10/16

シャル

6
南大西洋を舞台に繰り広げられる、Uボートと英駆逐艦による一騎打ちを描いた海洋戦闘小説。両艦長の視点を通じて、それぞれの作戦や相手の反応が語られ、変わりゆく戦況が圧倒的な緊張感で書き出されていく。心理と頭脳を駆使した読み合いに始まり、追いつ追われつ駆け引きを仕掛けあう中盤、そして足を止めての殴り合い的な砲撃戦から衝突へと戦いが進んでいくさまは、闘争本能の野蛮さを剥き出しにし、戦っているのはあくまで人間であることを象徴しているかのようで印象的。最後のオチがなおさらそれを引き立てる。静かな緊張に満ちた傑作。2012/11/11

八百蔵

4
英国海軍佐官であった作者の経験談を元にした話らしい。英から見た独軍人の奇妙さが際立つ。英国贔屓の分を割り引いて考えたほうが良さそうだが、極端にいえば、個人主義と国家主義の違いが浮き彫りにされる。同じ枢軸側で似たような思考パターンの癖があるようなのが…気を付けていないといけない。2024/03/18

黎雪

4
図書館本。プレミアムシネマで観た「眼下の敵」が面白かったので、以前コミュニティで紹介されていた原作を探して借りたもの。映画とはかなり印象が異なるもののとても面白かった。ラストでUボートの艦長が駆逐艦側を捕虜と言ってるシーン、読者としては失笑するのかもしれないけれど、当事者目線でいくとそれもあり得ると思った。どちらも自艦を喪失してて、どちらの味方の援軍が強いかなんてわからないものね。2020/08/18

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