内容説明
ニックことニコラス・ネイラーは、タバコ業界のロビイスト団体の主任スポークスマン。タバコを愛するすべての人々のため、論戦に明け暮れる毎日だ。そんなニックに次々と降りかかってくる無理難題、ひそかに進行する恐るべき陰謀。この絶体絶命のピンチを、ニックはどう切り抜けるのか?!深刻化するタバコ問題を、絶妙な風刺精神で、軽やかに笑い飛ばすタバコ・コメディ小説。
著者等紹介
青木純子[アオキジュンコ]
1954年生まれ。早稲田大学大学院博士課程満期退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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くさてる
5
タバコ業界のロビイストを主役にしたブラックコメディ。ドタバタ劇とブラックジョークとミステリ風味がうまく混ざっていて、すいすいと読めた。詐欺師顔負けの口でピンチを切り抜ける主人公のトンデモなさ。でも、それが常識的に思えるほど、個性的な脇役陣と、さらにそれ以上にぶっ飛んでいる業界の描写が、すごく面白かった。狂騒的であるけれど、どこか一瞬、冷えた視線も存在している怖さがある。映画が良かった為、原作を読んだのだけど、この原作をとてもうまく映画化していたんだと思いました。2014/02/05
ジョニー
2
1996年の日本出版だが古臭くはない。タバコ業界で働く主人公が嫌煙業界や政治家などに口先だけで議論をひっくり返していく。この感じはネットでの論破合戦に似ているが切れ味はこの本のほうが圧倒的に面白い。作者の経歴から見ても頭がよくセンスがあるのだろう。2024/02/08
ただの
2
映画版が本当にうまく良いところだけ抽出してたんだなあという感想。ブラックジョークで世渡りするニックの痛快さは映画版に勝るとも劣らないが、逆にオミットされたミステリ要素が全く面白くないという⋯ただ訳は相応の古さを感じるものの名訳。2018/12/12
儚俣
2
面白かったが、喫煙・嫌煙どちらの立場で書かれたかは明らか。嫌煙側をあえて落として喫煙側の内情を描き、嫌煙側の闇の部分に触れなかったことは公正ではない。まぁ、やってることは自分達への利益誘導でどっちもどっちではあるが…2013/09/08
石田友
1
私は喫煙者です