内容説明
ケンブリッジの町への帰途にある巡礼一行。修道士や修道女、十字軍の騎士たちなどからなる面々の中に、恐るべき連続殺人者はいた。町で繰り返されてきた凶行は、イングランド王国を揺るがす事態にまで発展している。国王ヘンリー二世がシチリアから招聘した、優秀な調査官シモンと、検死の術を修めた若き女医アデリアは、事件を解決できるのか。CWA最優秀歴史ミステリ賞受賞作。
著者等紹介
吉澤康子[ヨシザワヤスコ]
津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
139
私が最近読んだカドフェルシリーズとほぼ時代が同じ状況なので、あまり違和感がありません。殺人事件解決のためにシチリアから呼び寄せられた調査官と女性の医者がこれを解決するために国王に呼ばれて様々な経験をしていく過程が前半では中心となっています。修道院がやはり出てきます。前半は彼女の同僚まで犠牲になってしまうところで終わります。2016/08/01
ぽんすけ
20
何気なく手にした本だけどメチャクチャ面白いやん!12世紀のイングランドヘンリー2世の時代ってまだまだ社会が混沌としているのね。そして十字軍ってこの頃だったんだとか、シチリア王国のサレルノって当時としてはありえないくらい進歩的な思想が許されていたんだなぁとか、歴史ミステリあるあるだけど色々時代背景が知れて面白い。本編はイギリス、ケンブリッジで発生した子供を対象とする連続猟奇殺人事件の真相を探るというものだが、主人公の監察医アデリアがいいキャラで、彼女のちょっと危なっかしい所も含めて目が離せない。下巻が楽しみ2024/08/26
ごへいもち
18
苦手なので下巻はパス2018/01/03
夜の女王
12
☆☆と☆半分 時は1171年ケンブリッジ。子供の連続誘拐殺人事件が起きていた。犯人はユダヤ人とされ、町は一触即発の状態。そこへシチリアからヒロインたちが事件解決のために派遣されてくる・・・。最近この時代の歴史小説にハマっているので期待したが、『大聖堂』や『カドフェル・シリーズ』から比べると時代感や重厚感が薄い。ヒロイン・アデリアが女性の検視医という当時ありえない職業の上、キャラ設定が現代的過ぎるので、時々タイムスリップ物を読んでるような気分に・・・。時代考証が甘い。12世紀にする必然性を感じなかった。2013/09/13
nanao
7
イギリスの丘陵地帯、中東と十字軍、ナポリと異国情緒たっぷりの歴史物でミステリーで科学捜査。主人公は若き女性検死医。初めての要素が多くてわくわくしながら読みました。期待を裏切らず。登場人物は高位聖職者、重臣、王様から庶民、老若男女、多様でみんな魅力的。ユダヤ人差別問題が事件の中心で、様々なキリスト教側の事情も書かれます。十字軍帰還兵の高貴とは言い難い実情も。中世の医療事情も。内容がずっしり詰まっていて大満足の読み応えでした。2024/09/17
-
- 電子書籍
- 渋沢栄一と鉄道 天夢人