出版社内容情報
嵐で閉ざされた古城ホテル、牢獄で発見された女性ベストセラー作家の死体。欧米の出版事情をコミカルに描く、傑作犯人捜しミステリ。セント・ジャスト警部シリーズ第2弾。
内容説明
ミステリ作家とその卵、ファンや作家エージェントの交流会である病院到着時死亡会議。その会期中に、新進女性作家キンバリー・カルダーの成功を祝う出版社主催の宴が古城ホテルで開かれることになった。同業者たちの妬み渦巻く嵐の夜、停電で跳ね橋が動かなくなり半ば孤立した城で惨劇が…。欧米の出版事情をコミカルに描きつつ、巧みに伏線を忍ばせた、傑作犯人探しミステリ。
著者等紹介
吉澤康子[ヨシザワヤスコ]
津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
27
セント・ジャスト警部はレストランで見かけた女性が気になり、「こんなふうに彼女をひとりにしておく残酷な連れに対して、ほとんど抑えがたいほどの怒りを感じ」、交流会で再会した彼女―実はミステリ作家でもある―が捜査の協力を申し出ると「きみになにかあったら、ぼくは生きていられないんだ」と断る。恋愛するのは良いけれど、TPOってものが…それに既婚で妻を亡くしてる40過ぎのナイスミドルにしては、まるで少年のような直球勝負で、読んでいるこっちが恥ずかしくなる。本作自体は極めてオーソドックスなスタイルのミステリー。2013/12/12
ごへいもち
21
う~ん、読み終えるのにエライ時間がかかったよ、舞台も登場人物も悪くないのになぁ…2013/12/20
ハルト
10
日本的に言えばスイーツ系?な作風で一躍売れっ子となった美人女性作家と、そんな彼女に好意的ではない他の作家出版関係者の面々とが古城ホテルに介する。そこで起こった殺人。彼女を妬む者ひがむ者嫌う者近づきたい者利用したい者、さまざまな思惑が入り乱れる中、犯人は誰なのか。誰が犯人でもおかしくない状況でのフーダニットに、出版業界の裏事情に、探偵役の刑事のほのかなロマンスが織り込まれていておもしろかったです。恋の行方が気になる。2012/11/28
barabara
9
由緒ある古城ホテルの地下牢で殺された、美人人気女流作家。周囲は動機がある出版関係者ばかり。テーマもキャラもはっきりして、海外ものでは別格の読みやすさでした。今や、作家の話題はアマゾンランキング、ってところがリアル。世界共通で本は売れてないのがよく分かる。もう少し安ければ違うと思うのは、浅はかな考えでしょうか。ハードカバー4000円とか、あまりにハードルが…。2013/01/24
なつき
6
古城のホテルで催されたミステリ作家とエージェントたちの慰労会。そこで表彰された若き女性作家が殺された。折しも城の吊橋は故障して外部からの侵入は出来ず、容疑者は曲者ぞろいのミステリ作家たち。偶々講演を請われて滞在していた警部は嘘に長けた小説家たちに苦戦しつつ捜査を始めるが…。殺されたキンバリーの性格が最大の謎だった気がする。面白いが、やや解決が駆け足だったのが残念。2012/12/03