出版社内容情報
意地悪な大人気コージー作家エイドリアンが、家族に結婚式の招待状を送りつけてきた。これまで数限りなく遺言を書き変え、家族をもてあそんできたエイドリアンが、また何かを企んでいるのか? そして、莫大な財産の行方に気が気ではない彼らが予想外の事実を告げられた翌朝、相続人候補がひとり減ることに──。誰も彼もがあやしい事件に、セント・ジャスト警部は手も足も出ず……。アガサ賞最優秀処女長編賞作の傑作本格ミステリ。
内容説明
裕福で年老いた大人気コージー作家のエイドリアンが、子どもたちに結婚式の招待状を送りつけてきた。この結婚でまた遺言書が変わるのかと当惑する子どもたち。屋敷に集まった彼らに父親が予想外の事実を告げた翌朝、相続人候補がひとり減ることに。だれもがあやしい殺人事件に挑むセント・ジャスト警部の推理の行方は?皮肉の効いた筆致が光る、アガサ賞受賞のシリーズ第一作。アガサ賞最優秀処女長篇賞受賞。
著者等紹介
吉澤康子[ヨシザワヤスコ]
津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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GaGa
45
アガサ賞を受賞した本格探偵小説。逆にここまでコテコテなのは久しぶりである意味新鮮。クリスティーに対するオマージュじみたものもちらほら。内容は想像していた以上の水準。処女作でここまで書けるのならば今後の期待大。欲を言えば探偵役のセント・ジャスト警部にもう少し個性が欲しいところ。この内容だと警部が謎解きよりも、ミス・マープルのような民間人が探偵役の方が面白かったかなとも思った。2011/10/21
ごへいもち
33
表紙絵もタイトルも魅力的。ミステリーとしては…アガサ賞相当という程度かなぁ?期待しすぎかも。ただ嫌味ではないのでまたこの著者のものがあったら手に取るかも。訳はいいと思った2012/02/13
星落秋風五丈原
17
遺言をもてあそんでは息子と娘を翻弄し続けてきた有名作家が、女性と再婚すると言いだした矢先に殺人事件が起こる。まるでドラマ『カラマーゾフの兄弟』みたいな父親。きょうだいたちの影が濃く、探偵の影が薄い。2013/08/02
けいちゃっぷ
15
クラシックな雰囲気のミステリで、タイトルに「コージー」とはつくが内容はいささかヘビー。 老いても現役流行作家のエイドリアンはある日子供たちに自身の結婚の招待状を送りつける。 暴君でもある彼と三人の子供、そして再婚相手の女性が集った夜に殺人が・・・。 人間関係が複雑というかドロドロというか、血は水よりも濃いというべきか。 読みやすかったけど疲れた。 389ページ 2016/11/16
DONA
7
題名に「コージー」と入っていたから、軽い感じかと思っていたのですが、何とも重い内容で本格ミステリーで驚きました。舞台設定のせいで古い時代の話にも感じましたが、意外と現代のことで、色々惑わされてしまいました。セント・ジャスト警部が結構お気に入りになりました。彼の相棒も。シリーズ化されているようなので、続きも読もうかな?2011/12/06