出版社内容情報
悲嘆に暮れる六人の娘に養父が遺したのは、天球儀に刻まれた各々の名前と、出生地らしい座標の数字だった。長女マイアの座標が示すのは、ブラジル、リオ・デ・ジャネイロにある名家の屋敷〈蘭の館〉。「ここがわたしが生まれた家なの?」希望と不安を胸に屋敷を訪ねたマイアだったが、当主の老女に手ひどく拒絶される。だが、老女の召使いが密かにマイアに渡した手紙には、一族の秘密とひとりの女性の哀しい物語が記されていた……。
内容説明
“蘭の館”の老婦人に追い帰されたマイア。だが二度めに訪れたときメイドがこっそり手渡してくれたのは、館の主一族の歴史の一部だという手紙の束だった。そこに記されていたのは80年前に生きた、マイアと瓜二つの顔を持つひとりの女性の哀しくも数奇な運命の物語。作品が30を超える言語に翻訳され、世界中で1000万部を売り上げた、ベストセラー作家が放つ傑作シリーズ開幕。
著者等紹介
ライリー,ルシンダ[ライリー,ルシンダ] [Riley,Lucinda]
アイルランド生まれ、イングランドで女優として活躍。24歳で最初の作品を発表するやたちまち評判に。サンデー・タイムズとニューヨーク・タイムズのベストセラー作家でもある
高橋恭美子[タカハシクミコ]
関西外国語大学外国学部卒。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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naoっぴ
64
下巻はお定まりのロマンスものに落ち着いた感。昔こういうのよく読んだなぁ、と懐かしい気持ちになった。マイアの誰にも言えない深い心の葛藤が、同じ女性としてもう少し見えてくればと思うところもあったけれど、ストーリーはハーレクイン風の安心の流れですいすい進んでいく。私としてはやはり6人の娘たちを引き取り育て上げた養父の謎が知りたいところだけど、その謎はこのあとのニ女、三女の物語へと引き継がれていくのだろう。2018/11/26
星落秋風五丈原
40
リオのカーニバルやサンバといった開放的なイメージが強いブラジルだが過去パートではむしろ家族のしがらみや古い考えに囚われて身動きのできない女性達が描かれる。閉塞感を脱したければ海外に行くしかないのだ。単発作品ではなく、姉妹それぞれの物語になるらしい。ところが、登場人物紹介に既にネタばれが。今作に登場もしていない七女の名前が書かれている、しかもご丁寧に?つきで。彼女の物語は一体誰が口火を切るのか。そして姉妹達との関わりは?そもそも養父がなぜこのような試みを始めたかも謎る。第一作くらいは映画化されてもいいかも。2017/09/08
ほちょこ
32
さまざまな「館シリーズ」同様、最後は主人公と館の因縁が明らかになり、おまけにステキな男性とも巡り会え、まさに4点セットモノの王道ど真ん中だった。が、さらに驚いたのは、この物語の副題(もしかしたらこっちが主題?)が「セブンシスターズ」で、さらに今後、残る姉妹6人分の物語がシリーズとして出現する予告。そういえば彼女たちの養父の正体も明らかにされてないではないか!よもや、また「あるある館シリーズ4点セット」の出現か?!2017/11/09
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
26
これで謎の7人姉妹(まだ6人だけど)のうちの長女の謎が少し解けた。スイスから舞台はブラジルのリオ・デ・ジャネイロへ。解けた所でまたスイスに戻るのだろう、次作は。ブラジルのポルトガル貴族の階級社会も興味深かった。次女アリーが次なのかしら。楽しみである。2017/09/11
よきかな
19
アイルランド人作家ルシンダ・ライリーのセブンシスターズシリーズ1冊目。休日だけど台風来てるのでお出かけせずに没頭して読みました。一作につき6人姉妹(7人?)の一人ずつを主役にするのなら長いシリーズになりそうです。物語の構造は「忘れられた花園」と似ている。傷ついた女性が自分の血族の過去を探りながら人生を再生するストーリー。長女マイアが追う過去は20世紀初頭のパリとリオ・デ・ジャネイロが舞台。マイアの物語は一区切りついたけれど、義父の死の謎と正体など謎が残っている。2巻も購入済みなので読みます。2018/08/23