創元推理文庫
毒杯の囀り

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  • サイズ 文庫判/ページ数 311p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488219024
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

1377年、ロンドン。富裕な貿易商トーマス・スプリンガル卿が、邸の自室で毒殺された。下手人と目される執事は、屋敷裏で縊死していた。トーマス卿の部屋の外は、人が通れば必ず“歌う”、通称“小夜鳴鳥の廊下”。この廊下を歩いた者は、執事ただひとりなのだが…?難事件に挑むは、酒好きのクランストン検死官とその書記、アセルスタン修道士。中世謎解きシリーズ、堂々の開幕。

著者等紹介

古賀弥生[コガヤヨイ]
学校女子大学文理学部英米文学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ペグ

67
再再読。ここのところ集中力がひどく低下していて各駅停車の電車に乗っているが如き読書。それが功を奏したのでしょうか?ディテールを読み込んで、楽しかった。特に序章は不気味で美しく、ジョン オブ ゴーントの思いが悪魔になってスプリンガム邸に入り込むくだりは圧巻です。そしてクランストン〜以外や以外!剣の達人でした!流石、ただの酔っ払いではなかった。そして次の国王になったのは10才のリチャード オブ ボルドー〜後のリチャードII世?(何年か前に観たレイフ ファインズを思い出しながら)2018/01/20

syaori

62
百年戦争の時代、エドワード三世の死により即位した王はまだ幼く、叔父ランカスター公を擁立する動きもあるという風雲急を告げる英国が舞台のミステリー。公の依頼で有力な貿易商の毒殺事件を調べる検死官とその書記のドミニコ会士を中心に物語が進みます。事件は主人公二人や殺された貿易商、公の秘密と弱点、罪をめぐって展開し、それに14世紀ロンドンの猥雑さやプランタジネット朝からランカスター朝へ移る政局が絡み様々な意味で目が離せません。本書はシリーズ第一作で、意図せず国政に関る秘密を知った二人の今後の活躍に期待が高まります。2023/06/12

ペグ

53
何年ぶりかの再読。14世紀ロンドン。いつもクラレットで酔っ払っていて、でも妻をこよなく愛する検死官ジョン クランストンと片耳ギザギザの黒猫ボナベンチャーと暮らす托鉢修道士アセルスタンが事件を解決する。けれどこの小説の魅力は、何と言っても極貧の人々を生き生きと描いているところ。彼等の息遣いや匂いが立ち昇ります。アイルランドのフィデルマとロンドンのアセルスタン!時代小説のヒーローです。古賀弥生さんの素敵な翻訳でこんなに楽しい読書経験が出来たことに感謝です。オススメの一冊かと思います^o^2017/01/27

ネコベス

34
1377年のロンドン。エドワード三世が崩御して幼いリチャード二世が即位し政情に不穏な気配が漂う中、富裕な商人スプリンガル卿が毒殺され犯人と思われる執事は屋根裏で縊死していた。卿の部屋の前の廊下を通ったのは執事しかいなかった。検視官クラストン卿と書記役のアセルスタン修道士は真犯人の存在を確信して捜査を進める。中世ロンドンという舞台設定が魅力的だしクラストンとアセルスタンのコンビもそれぞれ個性的で味のあるキャラクター。ミステリ的な謎解きよりも当時のロンドンの猥雑な雰囲気や生活感が丁寧に描かれていて楽しめた。2018/06/22

こかち

12
14世紀末のイギリスが舞台のミステリ。雰囲気がいいです。おデブで飲んでばっかり食ってばっかりの検死官と真面目で悩める修道士のコンビが謎に挑みます。このコンビは、どちらかが天才的というわけではないけど、力を合わせて真実に近づいていくのが、人間らしくて好感がもてます。大事な場面で飲んだくれて前後不覚になってる検死官も憎めない。2016/05/28

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